2020年1月 原種の株姿をご紹介 [長尺苗]
姫野ばら園八ヶ岳農場です。
前回までオールドローズが中心でしたが、今回は原点回帰「原種」を取り上げたいと思います。
ばら(バラ:薔薇)は、バラ科バラ属に属す被子植物の1つです。北半球にのみ自生し、その数は 150 ~ 200 といわれています。これら自生していたばら達を「原種」と呼んでいます。北半球であれば多くの国で自生地があり、それぞれの環境に適応した姿をしています。多くは一季咲きのつる性種ですが、一部返り咲き種があります。原種ばらは自生していたものということもあり、扱いとしては少々難しいところがありますが、園芸種とは異なる個性的な品種も多く、シンプルな美しさの世界が待っています。
各品種の詳細は、それぞれ個別のご紹介ページにございます。
株姿の写真は、「2020年1月29日撮影」のものになります。
すべての品種を一度にご紹介すると長くなってしまうので、数品種に厳選してご紹介いたします。
以下の品種以外にも、本年は良好な長尺苗で在庫がございますので、お気軽にお問い合わせください。
つる性ばらは、なるべくお写真の通り枝の長い状態のままお送りしております。
ロサ アネモネフローラ – Rosa anemoneflora
中国東部原産の原種系交雑種とされています。一見ばらとは思えない花容や葉を持っており、それが最大の魅力でもあります。細い枝が株元から多数立ち上がり、白い星を枝いっぱいにちりばめたような、独特の咲き方が何とも言えず、ばらというよりは柳のようです。
▲ロサ アネモネフローラ
ロサ ウッドシー フェンドレリー – Rosa woodsii fendleri
北アメリカ北西部原産の原種です。原種の中では比較的大きめの花を咲かせます。実付きが大変良く、秋になれば美しい紅葉とともに楽しむことができます。病害虫の被害も少なく、丈夫な品種です。モッコウバラのように極端に巨大化はせず、トゲもほとんどないため、一般のご家庭にも使いやすい品種です。
▲ロサ ウッドシー フェンドレリー
赤野ばら 八重咲き – Aka nobara
当園内でいつのまにか生育していた品種です。恐らく「つくしのばら」の変種と思われ、大変丈夫な品種です。つくしのばらの特徴でもある光沢のある葉があり、病害虫耐性や耐寒性も高く、生育の良さが際立っています。かなりの遅咲きで6月~7月になってやっと開花しますが、花持ちに優れており、雨にも強く開花してしまえば一ヶ月ほどは楽しめます。トゲも非常に少ないです。
▲赤野ばら 八重咲き
ロサ ニティダ – Rosa nitida
北アメリカ原産の原種です。葉は細長く、枝はやわらかい繊毛に覆われており大変特徴的です。ニティダは「光沢がある」ことを示しており、学名通り光沢のある葉の中にピンクの一重咲きの花が咲いています。コンパクトな原種でもあり、1~2m程度の伸長力なので、一般のご家庭でも育てやすい品種です。小振りな株ながら病害虫への被害もなく大変丈夫。特に秋の紅葉は特筆するほどの美しさで、赤い実との調和もよく、特におすすめしたい原種です。
▲ロサ ニティダ