ばらの歴史を辿って「名花物語り」

現在、ばらという植物は「交配」という技術により多くの種類が作出されています。
その数は数十万種とも言われているほど膨大で、その姿形も様々あります。

これらばらたちの多くは、人の手によって作出されました。人々の「こんな花があったらいいな」という願望を形にしたものがばらなのです。そこには人々の思いや情熱、ストーリーがあります。

当園はばらの歴史にも注目して、歴史的文化遺産としてばらの保存にも尽力しています。これら貴重な品種にも多くの「物語り」が宿っています。ばらそのものの魅力も大切ですが、どのような経緯でその品種が誕生したのか、そんなことも一緒に考えているとさらにばらの魅力が分かってくるかと思います。

そんなばらの「物語り」を少しずつ紐解いてみましょう。

目次

HT種で剣弁高芯の花型を確立した歴史的名花「オフェリア」

HT種で剣弁高芯の花型を確立した歴史的名花「オフェリア」

現在では当たり前のように存在するばらの「高芯剣弁咲き」という性質は、この「オフェリア」というハイブリッドティーローズによって確立されました。交配親として大変よく利用され、多くの子孫を残しています。 ...
はじめてビロード調の深紅色を体現「クリムソン グローリー」

はじめてビロード調の深紅色を体現「クリムソン グローリー」

深みのある黒赤で、ビロードタッチの花弁を体現した、はじめての品種といわれている「クリムソン グローリー」のご紹介です。抜群の花付きや香りなど花壇植栽に最適な特徴を持っています。また、交配親としても活躍した歴史的にも重要な品種です。 ...
戦前を代表する黄色ばらの名花「ミセス PS デュポン」

戦前を代表する黄色ばらの名花「ミセス PS デュポン」

初の黄色HT種は「スブニールドゥクロージュペルネ」ですが、色が薄いという欠点がありました。そこでシャルル・マルラン氏は品種を改良し、さらに鮮明な黄色品種を作出しました。それが「ミセス PS デュポン」です。 ...