2020年1月 アルバローズの株姿をご紹介 [長尺苗]
姫野ばら園八ヶ岳農場です。
前回はガリカローズの現在の苗状態をご紹介させていただきましたので、今回はガリカローズと対をなす「アルバローズ」のご紹介をさせていただきます。
アルバローズは、白ばらの祖としてこちらも古くから知られている系統です。名前の通り、白や淡い色の品種が多くございます。また、アルバローズは青みを帯びた美しい葉を持ち、ダマスク香とは異なる、清涼感あふれる芳香など、他系統とはまた違った個性のある品種たちです。樹形は幾分自立気味であるため、ガリカローズと比べると少し汎用性に劣るところはありますが、株全体で清らかな印象を与えてくれる貴重な品種たちです。
各品種の詳細は、それぞれ個別のご紹介ページにございます。
株姿の写真は、本日「2020年1月10日撮影」のものになります。
すべての品種を一度にご紹介すると長くなってしまうので、数品種に厳選してご紹介いたします。以下の品種以外にも、本年は良好な長尺苗で在庫がございますので、お気軽にお問い合わせください。
つる性ばらは、なるべくお写真の通り枝の長い状態のままお送りしております。
アルバ セミプレナ – Alba Semi-plena
古代のアルバローズである「ロサ アルバ」に最も近いとされる品種です。白い花弁におしべが目立ちます。青味を帯びた典型的なアルバローズの葉も美しく、レモンを含むような、独特の爽やかな芳香も楽しめます。樹勢は旺盛でやや自立気味の樹形となりますので、壁面など広い場所で演出するか、剪定をしながら低木として扱うのがよいでしょう。実付きも良く、果実酒などにも利用できます。耐病性、耐寒性にも優れています。
▲アルバ セミプレナ
マダム プランティエ – Mme.Plantier
清らかな白に時に中心グリーン・アイを見せる、清涼感あふれる品種。他のアルバローズと比べると枝葉の特徴が異なるため、アルバローズへの分類は便宜上のもののようです。トゲは少なく、繊細で細い枝は良く伸長します。爽やかな香り、また花付きも大変良いので、多くの場面で効果的な演出ができるかと思います。白い花のオールドローズは意外にも少ないので、その中でも扱いやすい本品種は大変おすすめです。
▲マダム プランティエ
ソフィー ド バビエール – Sophie de Baviere
アルバローズの中では珍しく濃いピンク色の花です。花弁が多く、雨に当たると中々開ききらないこともありますが、香りも花つきも抜群。伸長力は強くよく伸び、また枝にはほとんとトゲがないため、窓廻りやパーゴラなど広い場所には大変扱いやすい品種です。
▲ソフィー ド バビエール
メイデンス ブラッシュ – Maiden’s Blush
枝葉の雰囲気はアルバローズらしい特徴を有しています。ロゼットの整った花型をもち、さわやかな良い香りがあります。古くから知られている品種で、絵画にも描かれています。ごく淡いピンクと青みをおびた葉の調和が素晴らしい。耐寒性や耐病性に優れており、また枝の伸長もほどよく、壁面やトレリスの他、アーチ仕立てなどにも活用できるかと思います。
▲メイデンス ブラッシュ
マダム ルグラ ド サンジェルマン – Madame Legras de St. Germain
重ねの多い白の八重咲き花。アルバローズらしい濃い緑の葉は、小さな切れ込みが入いります。一見「マダム プランティエ」にも似た印象ですが、株元からの枝数が多い自立型の株立ちで、伸長もより穏やかです。枝は細く少し黒みを帯びて、どちらかというとガリカローズに近い株姿。枝にはトゲがほとんどなく、枝の伸びも穏やかなので、トレリスやオベリスクなど小スペースの植栽にも適しています。
▲マダム ルグラ ド サンジェルマン