典型的なつるばら
つるばらと聞いてイメージされる典型的な品種群です。
「クライミング」「ランブラー」「シュラブ」の三系統です。因みに、当園では取り扱いがございませんが、「イングリッシュローズ」はシュラブに分類されます。
「クライミング ローズ」は、おおまかに分けて成り立ちが2つあります。1つは元々つる性として作出された品種たち、もう1つは四季咲き木立ち性ばらからの枝変わり(突然変異)により生じた品種たちです。品種数もバリエーションも大変多く、個性豊かな系統です。四季咲き品種からの枝変わりによって生じたつるばらには「つる○○」と命名され、通常は四季咲き時の名前が引き継がれます。つる化することで四季咲き性は失われますが、花と葉の特徴をそのまま受け継ぎます。
系統として認められている「ハイブリッド コルデシー(Hkor)」は、品種数が少ないため「クライミングローズ」に分類しております。ロサ・コルデシーを元にした系統で、耐寒性に優れたつる性ばらです。
「ランブラー ローズ」は、その起源になった原種たちによって細かく分類されます。具体的にはつるばらの仲間のうち、日本の野ばら(ロサ・ムルティフローラ)や照葉ノイバラ(旧ロサ・ウクライアナ、現ロサ・ルキアエ)、その他ロサ・モスカータやロサ・セティゲラなどを交配親とする品種群をランブラーローズと呼んでいます。多くは交配親である原種からの影響で小輪房咲き、一部の例外はありますが春のみの開花で伸長力強く、花付きが大変良いのが特徴です。特に照葉ノイバラを交配親にもつハイブリッド・ウクライアナ系は耐病性に富みます。
最後の「シュラブ ローズ」は、以上に紹介してきたつるばらの中で、他のどの系統にも含めにくい品種全般に使われている言葉です。イングリッシュローズもこの系統に含まれます。様々な品種が雑多に集まっているので、その種類も性質も様々あります。
いわゆるもっともつるばららしい系統。もとからつるとして作出されたものと、四季咲き品種からの枝変わりによって誕生した品種の2つがあります。昔は一季咲きが中心でしたが近年の品種は返り咲きするものが多くなっています。品種も性質も多様でバリエーションに富んでいます。
起源となった原種ばらによって性質は少しずつ異なりますが、交配親である原種からの影響で小輪房咲き、一部の例外はありますが春のみの開花で伸長力強く、枝がしなやかで花付きが大変良いのが特徴です。壁面等広いスペースを覆いたいときに活躍します。
他のどの系統にも属せないつる性の品種をまとめて「シュラブ」として扱います。そのため、その性質も様々で一季咲きのものから繰り返し咲くものまで、花の色も白から黄色、バイカラーのものもあります。当園では取り扱いはありませんがイングリッシュローズも含まれます。