2020年1月 ガリカローズの株姿をご紹介 [長尺苗]
姫野ばら園八ヶ岳農場です。
新しい年を迎え、皆様おかわりなく、お過ごしでいらっしゃるでしょうか。
当園では、現在春に向けて接ぎ木作業の真っ最中です。こちらの出荷は5月~6月頃の予定ですが、大苗や中苗の在庫がある品種は、通年出荷をしております。
当方の苗はすべて鉢苗になります。根はすでにまわっている状態ですので、すぐに植栽に使用することができ、また多くの品種で今春より開花が見込めます。
特につる性ばらは枝の長い状態のままお送りしており、即戦力として便利にお使いいただけるかと思います。
今回は、現在お送り可能な大苗や長尺苗のご紹介をさせていただきます。
最初は「ガリカローズ」たちのご紹介です。一部欠品となっている品種もございますが、良好な長尺苗の在庫はまだ多くございます。
古くから栽培の記録がある品種たちで、当園が最もおすすめしている品種群のひとつでもあります。すべての品種が一季咲きですが、返り咲きがないことによって生まれる枝のしなやかさは、お庭の主役として彩るためには重要な要素です。特にガリカローズは株元からの枝の発生が多いため、年数が経っても株姿が乱れにくく、枝は細めなので誘引作業も容易、また花付きや香りのよい品種も多数ありますので、ご家庭のつるばらとして大変お勧めできる品種群です。葉には光沢が少なく、秋には美しい紅葉が見られる品種もあります。
各品種の詳細は、それぞれ個別のご紹介ページにございます。
株姿の写真は、本日「2020年1月9日撮影」のものになります。
すべての品種を一度にご紹介すると長くなってしまうので、数品種に厳選してご紹介いたします。以下の品種以外にも、本年は良好な長尺苗で在庫がございますので、お気軽にお問い合わせください。
デュセス ダングレーム – Duchesse d’Angouleme
ソフトピンクのガリカローズで、株立ち良く、花付きも良好。細めの枝ながら生育は旺盛な方で育てやすい。ほどよい重ねの花は俯いて咲き、フェンスやアーチのほか窓まわりなど、多くの場面で活躍できる名品種です。花名はマリー・アントワネットの長女で、後のアングレーム公爵夫人より。
▲デュセス ダングレーム
キングジョージ 4 世 – King George IV
作出当時のイギリス国王の名を戴いた品種。本系統の中では最も生育旺盛で、耐寒性他も高い。赤紫色の大人びた色彩が大変魅力的。少し花付きは少なめですが、それが却って情緒的で、照りの少ない葉の印象も相まって、和風庭園にも馴染みやすいかと思います。
▲キングジョージ 4 世
シャルル ド ミル – Charles de Mills
つややかで深いローズ色が大変魅力的。端正に整った花は8㎝以上ある大きなもので、存在感も抜群。花付きも問題なく、強いダマスク系の香りもあります。細い枝と長楕円の葉はまさにガリカローズですが、葉が少ししな垂れる形になるのが本品種の特徴です。
▲シャルル ド ミル
紫玉 – Sigyoku
日本で明治時代に自家実生により発生した品種とされています。赤紫のポンポン咲きで花付きは非常によく、枝葉も少し赤みがあり、個性溢れる品種。竹垣などには特に合いやすい品種かと思います。伸長力旺盛で大株となり、とても丈夫な品種です。
▲紫玉
デュセス ド モンテベロー – Duchesse De Montebello
ダングレームと同様にソフトピンクのガリカローズですが、こちらはカップ状の美しい花型です。他のガリカローズと比べるとつるとしての性質が強く、枝は少し太め。このため主幹がはっきりしやすので、枝の流れを活かした演出が効果的です。ダマスクの香りもよく、品種の持つ全体的な雰囲気が大変優雅。
▲デュセス ド モンテベロー
ベル ド クレシー – Belle de Crecy
グレーを帯びる絶妙な色彩で人気が高い品種です。枝葉の雰囲気も花色とよくマッチしています。植栽する土地との相性があるようで、このため最初の一年は少し小振りな状態になりがちですが、独特の花色には代え難く、やはりおすすめしたい品種です。この時期大苗で残っているのは稀なので、ぜひこの機会に!
▲ベル ド クレシー