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当園が取り扱っております品種は、ばらの自生種である「原種」とその交雑種である「原種系交雑種」、一般的に「オールド・ローズ」と呼ばれている古いつる性ばら、修景用として様々な種類がある「典型的なつる性ばら」、そして現代ばらの礎となってくれた古い時代の「四季咲き木立性ばら」がメインとなっております。
ばらにはその起源や特徴により「系統」という区分にて分けられております。当園では学術的に分類されている多くの系統の品種を保有しております。
- 原種・原種系交雑種 (Sp , HSpn , HRg , HFt , HEg など)
- オールド・ローズ (G , A , D, C , M , Blst , P , B , HMsk , N , HP)
- つるばら (R , Cl , S , TCl , ClMin , HKor など)
- 四季咲き木立性 (T , Ch , Pol , F , HT, Min , Gr)
各系統の解説は下記ページに記載しております。
ばらの歴史が辿れるような、文化としてのばらの保存
現在見られるばらたちも、最初からあのような形で自生していたわけではもちろんありません。人々が夢と情熱を持って「交配」という技術により作出された努力の結果なのです。ばらの歴史は人の歴史でもあります。
そこで当園では、文化的遺産としてのばらの品種保存にも尽力して参りました。
原種・原種系交雑種から始まり、ガリカローズやアルバローズなど古代のオールドローズを利用して新しい品種たちをどんどん作出してきました。中国から庚申ばらが導入されると四季咲き木立ばらの時代が始まり、ばらの世界は急激にその魅力を増していきます。
品種の交配により誕生したばらには、人々の夢が詰まっています。古いからといってそれらを蔑ろにしてしまうのはあまりにも勿体無い。特に、交配親として大活躍した品種は「マザーローズ」と言われ、幾多の優秀な性質を後世のばらに伝えた歴史的に重要な品種です。流石にこれらすべての品種を保有することはできないのですが、その時代を彩った品種や庭造りの素材として優れた品種を中心に、その魅力を伝えるべく品種の保存にも力を入れています。
これら古い時代のばらたちをメインに取り扱っているのが当園の品種の特徴です。特にハイブリッド ティー種の古花、1960年代の品種は国内でも貴重なコレクションとなっております。なつかしいばらとの再会が叶いましたら、当方としても本当に嬉しく思います。
逆に、近年作出された品種や輸入苗のお取り扱いは、パテントや作業量などの関係上、現在は見合わせております。イングリッシュローズもお取り扱いがございません。何とぞ御了承下さい。
古い品種たちの魅力
オールドローズは構造物への誘引・演出に最適
古い品種たちは現在の丈夫な、よく返り咲くイングリッシュローズなどの品種たちとは異なり、オールド・ローズならば一季咲き(春のみの開花)の品種が多く、病気に弱い系統もございます。
しかし、オールド・ローズには豊かな香りを持つ品種が多く、何より枝や花が非常に繊細である特徴があります。がっしりとした枝ではなく、もっとしなやかで優雅な雰囲気があります。香りがあり花付きもよく、柔らかい枝は構造物に誘引しやすい。風になびいて揺れる枝先は風情があります。
こういったつるばらはアーチやフェンス、壁面、ガゼボ、パーゴラ等どんな場所にも使える、庭園素材として最も優れた品種群であると言えます。
四季咲きの古花は花弁のやわらかさが魅力
同じく、四季咲き品種の古花も、最近の品種に比べると弁質や病気に弱いものが多くなってきます。
古い四季咲きばらの魅力は、花弁がシルクのようにやわらかく上品であることが挙げられます。例えるなら、羽衣のような天上の世界を思わせるようなつややかさです。これは弁質の弱さと同居してしまう性質で、どうしても雨に弱くなってしまうのですが、一度でもその美しさを理解すると本当に愛おしく感じられます。
また、木立ばらでも枝が細めの品種も多くあり、花の重さで首が垂れるものもがあります。やわらかな花型との相性が良く、風に揺れて泳ぐ姿が楽しめます。これら性質は最近の品種にはあまり見られなくなっているので、少し手間がかかるかと思いますがひとつお植えになってみてはいかがでしょうか。
取り扱い品種 一覧
姫野ばら園で取り扱っている品種一覧は、以下のPDFファイルに記載しました。「ダウンロードする」をクリックするとPDFファイルがダウンロードされます。Adobe Reader(無料)などのPDFリーダーにて閲覧ください。
※受注生産のみの品種もございます。春の新苗のご予約で承っておりますが、なるべく年内でのご予約をお願いしております。