ばらの分類と系統について

ばらの大まかな分類と系統について

ばらは原種の数が多く交配の歴史も古いため、登録されているだけでも4万種以上の品種が存在します。しかし、園芸種のもととなった原種は意外に少なく、10種程度に集約されていきます。これらの血筋をもとに、たくさんあるばらの園芸種たちもいずれかのグループ=系統に分類され、系統名から品種の特徴をおおまかに判断できます。

ご自分の希望に見合ったばらを選び出すためにも、系統に関する知識を得ておくことは大変有効と思われます。

系統の数はとても多いので、まずは大きく4つに分類しました。それぞれのページで各系統についてご紹介いたします。

原種・原種系交雑種

原種・原種系交雑種

ばらの自生種である「原種」と、その交配種たちです。ばらは北半球にのみ自生しており、その数は約150 ~ 200種といわれています。これら自生していたばら達を「原種」と呼んでいます。この原種からばらの歴史は始まっていきます。これら自生していたばらの交雑種たちが「原種系交雑種」で、それぞれ親となった原種の影響を強く受けています。

原種・原種系交雑種

オールドローズ

オールドローズ

「オールドローズ」とは、古くからある歴史的な品種群を指します。当園では、ガリカローズを始めとする古代から栽培されていた品種、および18世紀から20世紀初頭にかけて確立されたつる性の品種群をおおまかにオールドローズとして区分しています。歴史的価値だけでなく、庭園素材として優秀な品種がたくさんあり、大変魅力的な品種たちです。

オールドローズ

典型的なつるばら

典型的なつるばら

つるばらと聞いてイメージされる典型的な品種群です。「クライミング」「ランブラー」「シュラブ」の三系統が属します。いずれも伸長力が強い品種が多く、特に「ランブラー」ローズは壁一面を覆うことも可能です。広いお庭があれば、ぜひ1本は植栽したい品種たちです。交配も進んできており、花色や枝葉など多種多様な性質を持っています。

典型的なつるばら

四季咲き木立ばら

四季咲き木立ばら

名前の通り「四季咲き性」を示す「木立状」の品種群です。自立型でつる性種よりコンパクトに収まることが特徴です。気温があれば安定して開花が見られます。四季咲きの祖となった品種から交配が盛んに行われ、数え切れないほどの品種があります。性質も千差万別で大変バラエティーに富んでいます。お庭を常に彩りたい時に活躍します。当園ではばらの歴史にも視点を当てて、古花を中心に扱っております。

四季咲き木立ばら