ラベンダーピノキオ – 波打つ花容と独特の色調が魅力
2年生苗でのおすすめとなりますが、今年は例年以上によく育ちましたのでご紹介させていただきました。
※2016年10月現在の在庫です。
丈夫な品種の多いフロリバンダ種の中では正直なところ、もっとも作りにくい部類ではないかと思います。細く華奢な枝は増えにくく、しかも偏った方向に伸びます。横張り気味に散開する樹形はまとまりがあるとはいいがたいでしょう。それでもこの品種が完全に消え去ることなく現在も少ないながら生産され続けているのは、やはりその花容と色調が他に類を見ない、特別なものであるからだと思います。
紫の色調は少し茶色味を含み、弁端がきれいに波打つといっそう美しくみえます。黄色の大きなおしべがよく目立ち、まさに芸術品のような趣です。小柄な樹形に大きな房咲きのアンバランスさがまたよいのかもしれません。
美しい色調とやや脆弱ともいえる樹勢はともに親品種のグレイ・パールの影響を強く感じます。このような品種は時間をかけて枝数を増やしてゆく必要があり、高温多湿にも注意が必要です。しかも枝も枯れ込みやすく、何だか心が折れそうです。
それでもいつかは大株になり、樹形が整わないながらもたくさんの花をふんわりと咲かせる姿はこれまでの苦労も吹き飛ぶほどで、改めてこの品種の底知れぬ魅力に驚嘆せずにはいられません。