品種の紹介

マリー ド サンジャン - 小型つるバラとして清らかな演出

マリー ド サンジャン – 小型つるバラとして清らかな演出

今日は11月の割には少し暖かいですね。ただ、朝夕は寒くなりますので気温差に注意です。

本日ご紹介する品種はポートランド・ローズ「マリー ド サンジャン」です。

マリー ド サンジャン のページ

ポートランド・ローズは西洋のばらと中国の庚申ばらとの交配により誕生した系統とされています。ほとんどが一季咲きであった西洋のばらでしたが、この系統の誕生により返り咲きするつる性ばらが仲間に加わることになります。現存するポートランド・ローズは少数ですが、歴史上貴重な品種群です。

「マリー ド サンジャン」もその過程で誕生した品種です。返り咲きの頻度は夏くらいまでではありますが、春以外でも開花する性質は当時重宝されたことでしょう。オールドローズらしい花弁の多い大らかな花容、白い花にほのかにかかる紅色が上品です。オールドローズには白い花が意外に少なく、そういった意味でも「マリー ド サンジャン」は貴重な品種です。枝葉には赤味がなく、明るい緑の葉も、白い花をより引き立ててくれます。

返り咲く頻度が少ないため、同じポートランド・ローズで返り咲きが多い「アルチュール ド サンサール」と比べると少しつるとしての性質が強くでています。それでも、「シドニー」よりかは小型のつる性ばらで、樹高は「1.8~2m」ほどと極端に伸びすぎない性質も見逃せません。ステムも短いため構造物との一体感を出しやすく、誘引場所が限られるトレリスやアーチに個性的な演出をしてくれることでしょう。大変使いやすいつるばらの1つかと思います。

自立気味にまとまってくれるので鉢仕立てにも好適です。玄関まわりなどスペースがあまりない場所にも活躍できます。四季咲き木立ばらとはまた違う演出も可能でしょう。

ポートランド・ローズは、庚申ばらの影響か病害虫耐性に関して少し目を瞑る必要はありますが、他系統にはない独特な上品さでお庭を彩ってくれます。毎年この花を見て「やはり古いばらは魅力的だな~」と再確認させられます。伸長も穏やかで急激に伸びないので、枝の扱いに困ることも少ないでしょう。庭園素材としてぜひ見直していただきたい品種です。

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