品種・苗のご紹介

2020年4月 四季咲き木立ばらの株姿をご紹介 [大苗]

2020年4月 四季咲き木立ばらの株姿をご紹介 [大苗]

姫野ばら園八ヶ岳農場です。

前回の投稿から間が開いてしまい申し訳ございません。

今までは株姿の違いが品種ごとに大きいつるばらの様子をご紹介させていただきましたが、今回は四季咲き木立ばらの現在の様子をお伝えしたいと思います。ただ、四季咲き木立ばらは冬に剪定を実施し、あまり品種ごとの株姿の違いはないため、系統ごとまとめてのご紹介となります。

※株姿の写真は、「2020年4月9日撮影」のものになります。

ハイブリッド ティー – Hybrid Tea

18世紀末に中国からヨーロッパへ「チャイナローズ」と「ティーローズ」が四季咲きばらとして伝わりました。四季を通して開花する特性を持った新しい品種たち。一季咲きが主流だった当時のばらと盛んに交配が行なわれ、返り咲き性を持つつる性ばら「ブルボンローズ」や「ノアゼットローズ」「ハイブリッドパーペチュアルローズ」などが誕生します。さらに交配が進められ、ついにチャイナ・ティーローズを上回る強健さと大輪花を併せ持つ完全四季咲き木立ばら「ハイブリッドティーローズ」が誕生しました。

「ラ・フランス」を最初の品種とし、多くの歴史的な試みがなされ、現在では世界中で花の女王として、その地位を不動のものとしています。

ハイブリッドティーの株姿
▲ハイブリッドティーローズ

ハイブリッドティー

現在、6寸鉢から7寸鉢へ順次鉢増しをしております。大輪花であるハイブリッドティーローズは、良好な花を得るために栄養の集中化を必要とするため、冬の剪定は不可欠です。品種の樹勢にもよりますが、上記の理由より原則もっとも強い剪定をかける系統で、そのため現在の樹高は30㎝前後となっております。

当園の苗はすべて鉢苗(根鉢)ですので、このまま土を崩さず植え付けていただければ大丈夫です。寒冷地のため、まだ芽吹いたばかりですが、今春より十分な開花をお楽しみいただける苗たちです。

フロリバンダ – Floribunda

「フロリバンダ」とはアメリカで名付けられた系統名で「花束」を意味しています。上記「ハイブリッドティーローズ」と、日本の野ばらから誕生した「ポリアンサローズ」の交配により他院城下系統で、花の大きさから「四季咲き中輪種」と呼ばれることもあります。ハイブリッドティーからは多様な花形や花色を、ポリアンサからは房咲き性と耐寒力を受け継ぎました。形良くまとまる株姿に、房になってたくさん咲くフロリバンダローズは大いに注目され、現在では公園で、ご家庭でその花付きの良さと強健さでなくてはならない存在となっています。全体的に耐寒性にも優れており、寒冷地にもおすすめできる品種が多い系統です。

フロリバンダの株姿
▲フロリバンダローズ

フロリバンダ

昨年、少し新苗からの鉢増しが遅れてしまい、現在の大苗は全体的に少し小ぶりなものが多くなってしまいました。こちらは7寸鉢苗へすべて鉢増しが完了しており、株姿は小さめですが、根はよく張ってきておりますので、今春の開花や生育には問題ない状態です。お値段はその分お安くしております。

ミニチュア – Miniature

中国からヨーロッパへ、四季咲き性を持つ「庚申ばら」が導入されましたが、その庚申ばらの中で最も矮小な品種だった「ロサ・キネンシス・ミニマ」を交配親に発展した系統です。樹、花、葉すべてがミニチュアサイズだった「ロサ・キネンシス・ミニマ」の特徴を受け継ぎ、概ね1m以下のコンパクトな品種が多数を占めます。小さいだけに四季咲き性はあらゆるばらの中でも最も強く、次の開花までの時間が短めで、温度さえあれば冬でも開花する姿が見られます。現在のミニバラはフロリバンダローズなどとの交配により、より大型の品種も増えてきましたが、当方では古典的な、小さめの品種を中心に保有しております。

ミニチュアの株姿
▲ミニチュアローズ

ミニチュア

こちらはもともと株が小さいため、すべてハウス内で越冬させております。枝葉の展開も早いミニバラの特性も相まって、他の四季咲き木立ばらと比べると成長が早く進んでおります。早咲きの品種でしたらそろそろ蕾も確認できるころでしょう。

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