2020年2月 ブルボンローズの株姿をご紹介 [長尺苗]
姫野ばら園八ヶ岳農場です。
今回はポートランドと同じく初期の返り咲きつるばら「ブルボンローズ」をご紹介したいと思います。
ブルボンローズはポートランドローズとともに、西洋のばらと東洋のばらが交配されて誕生した最も初期の系統のひとつとされています。最初にブルボン島(フランスの海外県、マダガスカルの東方、現在のレユニオン島)で発見されたことからこの系統名が名付けられました。成り立ちについては諸説ありはっきりとはしていませんが、東洋のばらである「庚申ばら」との関与があるとされています。ポートランドローズよりはつる性としての性質が強く、返り咲きは少なめですが、カップ状であったりロゼット状であったりと優雅で魅力的な花容を持つ品種が多く、また多くは芳香性であることなどから現在も高い人気を誇ります。家庭用つるばらとしての実用性にも大いに注目されます。
各品種の詳細は、それぞれ個別のご紹介ページにございます。
株姿の写真は、「2020年2月25日撮影」のものになります。
すべての品種を一度にご紹介すると長くなってしまうので、数品種に厳選してご紹介いたします。
つる性ばらは、なるべくお写真の通り枝の長い状態のままお送りしております。
オノリーヌ ド ブラバン – Honorine de Brabant
白地に灰色味をおびた紫の絞りが入る、シックな色彩が魅力的です。満開になるまで少し時間を要しますが葉も明るい緑で美しく、爽やかな印象です。絞り咲き品種には珍しく枝質に優れており、大変丈夫な品種で耐寒性も高い。壁面やガゼボに個性的な美しさを演出し、トゲも少なく扱いやすい品種です。若干自立型の株立ちです。現在、3年生長尺苗の在庫がございます。
▲オノリーヌ ド ブラバン
ラ レーヌ ビクトリア – La Reine Victoria
「ヴィクトリア女王」を意味する、ブルボンローズを代表する名花です。ころんと丸いカップ状の花型からはダマスクを基調とする素晴らしい芳香が放たれ、現在も高い人気を誇ります。夏くらいまでは返り咲きが見られます。
▲ラ レーヌ ビクトリア
ルイーズ オディエ – Louise Odier
乙女椿にも似た、重ねの多い暖かなピンクで甘いラズベリーのような香りをもちます。秋口まで返り咲きが見られる中、もっとも伸長するブルボンローズでもありますので、パーゴラや窓廻りなどにダイナミックに仕立てますと見事。花弁数が多いながら意外にも実付きがよいようです。
▲ルイーズ オディエ
バリエガタ ディ ボローニャ – Variegata di Bologna
絞り咲き品種のなかでも特に有名な品種。白地に濃ピンクのはっきりとしたストライプに加え、カップ咲きの花容が見事で、ダマスクの濃い香りがあります。こちらは春のみの開花ですが、満開時の素晴らしい景観が忘れがたい品種。
▲バリエガタ ディ ボローニャ
ヴィヴィッド – Vivid
トゲが少なく、比較的返り咲きが多めで扱いやすい品種。株が充実しないうちは花色がうまく出ないことがありますが、よく咲くと深みのあるローズ赤となって大変美しい。玄関回りや大きめのオベリスクなどに、はっきりとした色彩が欲しい時におすすめ。
▲ヴィヴィッド
ジプシー ボーイ – Gipsy Boy
ランブラーローズの「ルッセリアーナ」の実生品種ですので、ブルボンローズというよりはランブラーローズに近い趣をもっています。開花は春のみですが、素晴らしい花付きと深い色彩で周りを圧します。黄色のおしべとの対比が美しい。実付きも良好。親譲りの耐寒性もあり、大変丈夫な品種です。
▲ジプシー ボーイ
マダム スーシェ – Mme. Souchet
透き通るような淡いピンクが美しく、中心は濃くなります。カップ状の花が房咲きとなり非常に優美な印象。ノアゼットローズのように返り咲きが多く、樹勢も耐寒性も良いように思われます。秋の花は一層美しく、認知度は低いながら、今後注目していきたい品種です。
▲マダム スーシェ