ラ フランス – La France
ハイブリッドティーローズ第一号として著名な品種ですが、作出当時はハイブリッドティーという系統が確立されていなかったため、ハイブリッドパーペチュアルローズ(HP)として栽培されていました。完全に四季咲きで木立になる株姿は、これまでの半つる状(またはつる状)のハイブリッドパーペチュアルとはまったく異なっていたため、ハイブリッドティーという系統が確立した後に遡って第一号品種として認定、絶大な名声を得ます。株姿はティーローズのように細枝ではありながら、ハイブリッドパーペチュアルのような強靱さを持ち合わせており、この点が従来の四季咲きばらであったティーローズやチャイナローズとは一線を画す新しいタイプのばらであるとして注目されます。
オールドローズ風の花型は雨に弱い弱点はあるものの、花付き良く株姿も整いやはり一作の価値があります。花は俯き加減に咲きます。黒星病にも要注意ですが、葉の展開が早く再生が容易です。明るい緑の葉はよく茂ってすがすがしい美しさです。甘く素晴らしいモダンダマスクの芳香があり、香りを楽しむ名花でもあります。日本では、明治から大正時代に「天地開」との名前で栽培されていました。
交配には諸説あります。ハイブリッドパーペチュアルの「ヴィクトール・ヴェルディア」とティーの「マダム・ブラヴィ」との交配という説、「マダム・ファルコ」というティー種の実生であるという説(こちらが公式発表)の2つがあります。遺伝子学的に前者は整合性が取れないようなので現在は後者でよく見かけますが、Modern Roses Ⅺでは交配情報の登録が無くなっているので、結局のところよくわかっていないようです。
ラ・フランス誕生以前のばらを「オールド・ローズ」、以降のばらを「モダン・ローズ」と一般的に区別されますが、学術的なものではなく便宜上の分類でかなり大雑把なものなので考え過ぎないようご注意下さい。
品種名 | ラ フランス |
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ローマ字 | La France |
商品番号 | 1180356 |
系統 | ハイブリッド ティー (HT) Hybrid Tea |
成長形態 | 木立性 |
咲き方 | 四季咲き |
香り | 強香 |
花径 | 10㎝ |
樹高 | 1.2m |
樹形図 | 1b番 半直立 |
作出年 | 1867年 |
作出国 | フランス |
作出者 | Jean-Baptiste André (fils) Guillot |
別名 | 天地開 |
その他 |
交配 |
交配には諸説あります。Madame Falcot の実生または(以下の交配情報は2000 年に刊行された Modern Roses Ⅺでは削除されています)Victor Verdier × Mme.Bravy |
※2025年新苗のご予約につきまして (受付期間は12月31日までです。) |
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台木の入荷数が減っているため、来季の新苗生産数を落としております。あまり数多く生産できないため、ご予約数によっては一部の品種で数を制限する場合がございます。申し訳ございませんが予めご了承ください。確実な入手をご希望の場合は、在庫のある品種でしたら「大苗」をご検討いただけましたら幸いです。 |
※表示中の「大苗」のお値段は概算価格です。 |
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生育状況が各苗、また季節ごとに異なるため、概算価格での表示となっております。ご注文後に再度「お見積り金額」をメールにてお知らせしております。大苗の価格は表示価格よりお安くしていることが多いです。 |
※つる性品種の大苗表記は原則「長尺苗」です。 |
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つる性品種における「大苗」表記ですが、当方ではつる性品種に対して剪定は行なっていないため、大苗であれば原則「長尺苗」となります。枝が長い状態でお送りさせていただきます。 |
樹形図番号 1b番 半直立 の樹形
四季咲き木立品種限定の樹形図番号です。
四季咲き品種は気温さえあれば安定して何度も開花するため、枝は固くなり早期に自立します。枝が伸びやすい方向は品種によって異なり、「半直立」は比較的「枝が直立気味」の樹形となる品種に割り振っています。
ただ、「半横張り」とそこまで大きな差はなく、あくまでそのような傾向にある程度にお考えいただければと思います。冬の剪定時に内芽、外芽を意識することである程度樹形を調整可能です。
この品種は『四季咲き 木立性』品種です。
『四季咲き』品種は、生育期間中に一定の気温以上が確保できれば、伸長した枝先に必ず開花が起こる性質を持った品種たちです。一部の例外を除き、つる状に枝を伸ばすことはありません。
気温されあれば、春から初冬までに何度も開花が見られます。開花から次の開花までに要する時間は気候条件と品種の特性によって異なりますが、冬以外は安定したサイクルで開花が見られ、枝を切ってから次の開花までの時間を予測可能であることが特徴です。
このような性質があるため、9月上旬頃の「夏剪定」による開花調整が有効な品種たちで、特に大輪花であるほど効果的です。
一定以上枝が伸びれば必ず枝先に開花が見られるため、四季咲き品種は極端に枝が伸びることが無く、また花ガラ切り(凋花切り)により都度「節」ができることから株立ちは『木立状』になります。また、剪定による管理が基本で、冬になれば樹高を低くして次年度の春の開花に備えます。
詳しい性質は下記のコラムページをご覧ください。
撮影日 | 2024年4月5日 |
撮影場所 | 当園ハウス内 |
撮影情報 |
Canon EOS R5 , Canon RF 24-105mm F4L IS USM , 105mm , F6.3 , 1/60秒 , ISO100 , 5100K |
撮影日 | 2024年4月8日 |
撮影場所 | 当園ハウス内 |
撮影情報 |
Canon EOS R5 , Canon RF 24-105mm F4L IS USM , 100mm , F7.1 , 1/320秒 , ISO100 , 5100K |