ユーフラテス – Euphrates
現在出回っているほどんどのバラは植物学的にいうと「エウロサ亜属」に属するばらですが、この「ユーフラテス」は「ロサ ペルシカ」を交配親に持つ数少ない「フルテミア亜属」に属するばらです。他には「チグリス」「ナイジェル ホーソン」「フルテミア アルディ」などがフルテミア系品種として知られています。
花の中央にあるブロッチが最大の特徴で一際目を引きます。珊瑚色から淡いサーモンピンクへ褪色する色変化も面白い。比較的早めに開花し、細長い小さな葉と一体になってコンパクトながら華やかな印象を与えます。
「ロサ ペルシカ」は、中近東から中国西北部新疆(しんきょう)ウイグル自治区などの乾燥地帯に自生する原種バラです。これをイギリスのハークネス氏が交配に使い「ユーフラテス」を誕生させたのですが、この「ロサ ペルシカ」は樹勢が弱く高温多湿な環境を非常に嫌います。それらの血を引いた「ユーフラテス」含む「ハイブリッド フルテミア」は、ばらの中でも最も栽培が難しいものとされています。作出したハークネス氏のイギリスでさえも栽培は困難でした。
日本のような高温多湿な環境ではさらに栽培が難しく、そのままの環境では健康的な生育は望めません。枝も細く成長も緩慢、伸びは非常にゆっくりで、つる性でありながら1mほどの株にするために根気のいる手入れが必要になります。水やりの加減には特に注意し、根を腐食させないよう土の状態を良く観察しましょう。夏の落葉は防ぐことが難しいので、落葉はあるものとして考え、根腐れを起こさないよう注意します。
上級者向けの品種で非常に枯死しやすいため、申し訳ございませんがこの品種は「枯れ補償」ができません。また、品種の特性上株も小さいめになります。予めご了承下さい。
品種名 | ユーフラテス |
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ローマ字 | Euphrates |
商品番号 | 1250032 |
系統 | シュラブ (S) Shrub Hybrid Hultemia |
成長形態 | つる性 |
咲き方 | 一季咲き |
香り | 微香 |
花径 | 3.5㎝ |
樹高 | 0.9m |
樹形図 | 4番 |
作出年 | 1986年 |
作出国 | イギリス |
作出者 | Harkness |
別名 | |
その他 |
交配 |
Rosa persica Michx. ex Juss. × Fairy Changeling |
※2025年新苗のご予約につきまして (受付期間は12月31日までです。) |
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台木の入荷数が減っているため、来季の新苗生産数を落としております。あまり数多く生産できないため、ご予約数によっては一部の品種で数を制限する場合がございます。申し訳ございませんが予めご了承ください。確実な入手をご希望の場合は、在庫のある品種でしたら「大苗」をご検討いただけましたら幸いです。 |
※表示中の「大苗」のお値段は概算価格です。 |
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生育状況が各苗、また季節ごとに異なるため、概算価格での表示となっております。ご注文後に再度「お見積り金額」をメールにてお知らせしております。大苗の価格は表示価格よりお安くしていることが多いです。 |
※つる性品種の大苗表記は原則「長尺苗」です。 |
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つる性品種における「大苗」表記ですが、当方ではつる性品種に対して剪定は行なっていないため、大苗であれば原則「長尺苗」となります。枝が長い状態でお送りさせていただきます。 |
樹形図番号 4番
オールドシュラブ型樹形 – 自立半球形盛上り型
つるばらの最も一般的な樹形である「シュラブ樹形」と呼ばれるもの。
株元より放射状に数本の主幹となる枝を伸ばします。ベイサルシュートは勢い良く上向きに伸び、途中から大きく湾曲を始めます。開花は湾曲部から枝先端部におこり、湾曲頂点から株元までの間では、サイドシュートの発生が見られます。枝の先端は下垂し地表に着く場合もあります。
どちらかといえば一季咲き品種が多く、枝は曲げやすく、フェンスや壁面など、広くさまざまな植栽場所に対応しやすい樹形です。
この品種は『一季咲き つる性』品種です。
『一季咲き』品種は、春に一度だけ開花し、それ以降は枝のみを伸ばす性質を持った品種を指します。
枝の成長を止める要因である「開花」が春に一回だけなので、枝はすらりと伸びていき節ができない特徴があります。このため、樹高の差はあるものの例外なく『つる性』となります。
開花が一回のみなので枝は大変しなやかで曲げやすい品種が多く、誘引の自由度が最も高い品種たちです。伸びた枝先を中心に開花しますので、この枝先を自由に移動できるのは大きい利点です。風景に溶けこむように枝が伸びていくので、お庭のメインを飾るのに最適です。品種によっては5m以上の伸長力を持つものもあり、一面を覆いたい時にも活躍します。
基本的に剪定はほとんど不要で、冬も枝先を少し切り戻して整える程度で十分な開花が得られます。むしろ伸びた枝をどのように活かすのかを考えていきます。
詳しい性質は下記のコラムページをご覧ください。