ばらを管理する上で、頻出する単語・用語について解説します。
用語集 – ハ行
灰色かび病(はいいろかびびょう)
病原菌の名前が「ボトリチス菌」であることからボトリチス病とも呼ばれます。ほとんどの植物で発生し、ばらでは花弁への感染が多く見られます。花弁に水滴が滲んだような褐色の斑点が現れ、病気が進行すると花が腐り、「開く前」に茶色くなって枯れてしまいます。 低温多湿を好むため、春先から梅雨時、また秋口でも発生します。また、花弁が柔らかく、重ねが多い品種ほどかかりやすい病気です。
薬剤による予防や、風通しを良くするなどの対処法が有効です。
パテント
特許のことです。ばらにも作出者、作出した品種を保護するためにパテントが付けられます。種苗法という法律により保護されています。何度か改定されているため、品種の作出年によって保護期間が少し異なりますが18年~30年間保護されます。パテントが付いた品種は勝手な増殖や販売は禁止されます。違反した場合、罰金が課されます。当園ではパテントが切れた古い品種をメインに取り扱っております。パテントがある品種に関しましては、ロイヤリティー表示をしております。
ピンチ
摘蕾(てきらい)・摘芯(てきしん)のこと。詳細は「摘蕾」の項にて。
覆輪(ふくりん)
花びらの縁に沿って違う色が入るものをいいます。覆輪がさらに細く糸状に見える場合は「糸覆輪(いとふくりん)」と呼ばれます。(糸覆輪の例:バロン ジロード ラン)
懐枝(ふところえだ)
株元付近に生え、株の内側に向かって伸びてきた枝のこと。あまりにも混みあい風通しが悪くなる要因になるようならば除去する場合もあります。
ブラインド
特に四季咲き品種において、開花が期待される枝でありながら蕾がつかず枝ばかりが伸びること、またはそのような枝のこと。このブラインドが発生した場合は、花を付けるだけの体力・肥料・日照が足りていないことが多いです。これらを改善させ、摘芯や軽い剪定をさせて新しい枝を発生させると蕾を付けます。
一季咲きのつるばらにおいてブラインドが発生した場合は、次年度の開花を待つことになります。
ベーサル シュート
株元から発生する新しい枝のこと。太く勢いがある枝であればベーサル シュートと判断します。今年や来年の開花が見込める大切な枝なので大切に保護します。
穂木(ほぎ)
接ぎ木や挿し木に利用される、増殖したい品種の枝のこと。台木に接ぎ木すると切り接ぎ苗として増殖できます。
ボトリチス病
「灰色かび病」と同義。「灰色かび病」の項を参照。