ばらのアーチはばら愛好家のお庭にはなくてはならないものですね。
ベランダ栽培の方も、手すりと鉢を利用すれば、ちょっとしたアーチ風の仕立てを楽しむこともできます。これからばらのアーチに挑戦してみよう!とお考えの方のために、今回はその「工夫」の部分をまとめてみましたので、品種選択の参考に、お役立て下さいましたら幸いに存じます。
ポイントは、以下の3点となります。
1. 伸びすぎない小型のつるばらを選ぶ
アーチといえばつるばら、とお考えの方は多いでしょう。
しかし、つるばらは一般的に伸長が旺盛で、ご家庭用のアーチくらいでしたらすぐに追い越してしまいます。そこで、まずはできるだけ伸長が穏やかで花付きがよい品種を選んでゆくことが始まりとなります。
オールドローズや返り咲き性シュラブローズに、適正をもつ品種が多く存在します。具体的な系統ではガリカローズや、ノアゼットローズなどに適性品種が多く存在していますので、まずはこの辺りの品種を選択されるとよいでしょう。

2. 誘引しなくても花付きがよい品種を選ぶ
アーチは株元から頂部まで、できれば綺麗にお花で覆われてほしいものです。
ところが、アーチは枝を誘引できるスペースが多くありません。枝を収めるために蛇行するように誘引するわけですが、やはり限界もあります。できるだけ枝を立てたままでも花がよく咲く品種を選ぶにこしたことはありません。
小、中輪系の品種の多くが、この条件を満たします。

3. ステム(花茎)の短い品種を選ぶ
これは美しいアーチを仕立てるために外せないポイントです。
ステムの長い品種ですと、アーチから浮き上がった部分に花が咲いてしまうため、アーチとの一体感が得られずバラバラした印象になってしまいます。また、アーチに限りませんが、小型の構造物には葉も花径も小さめで、茂り(花付き)のよい品種が適しています。花壇でもごく小さなスペースでしたら、やはりミニバラなどが似合います。


その他、枝が細い、柔らかくて誘引しやすいなどの条件もそろえば言うことがありませんが、上記3点を満たす品種は多くが細枝性です。柔らかさの点では一季咲き品種に軍配が上がりますが、返り咲き品種の場合も剪定、誘引で枝の切り口を数多く作ることでカバーできます。
おすすめのアーチ向けつるばら
上記3点をふまえて、具体的にアーチに向く品種を厳選して、ご紹介させていただきます。
以下の品種たちは「ほどよい伸長力」「良好な花付き」「ほどよいステム」の3点を満たしており、アーチはもちろん、低めのフェンスやトレリスなど小スペースの構造物全般に利用できます。
花後に頂部からのシュートが多数発生してしまう場合
伸長の強い品種をアーチ仕立てにした場合、花後には頂部の弧を描いた部分から多数のシュートが伸びて樹形を乱すこととなります。場所的に余裕があって気にならない場合はよいのですが、何か対策したい、と思われるなら、開花後にアーチの肩の高さ辺りまで、開花の終わった枝を剪定しておくのも手かと思います。
剪定の高さにより、シュートの発生位置を人為的に調節することが狙いです。植栽することがポイントとなるのですが、枝が曲がっている部分からシュートが出やすいのは植物の特徴であり、この性質そのものを変えることはできません。
そのためできるだけ頂部からのシュートが出にくい品種を選ぶ必要があるのですが、すでに植栽されている、お花が気に入っているなど、さまざま事情はあろうかと思います。アーチに対して必要以上に大きくなってしまった場合などに、補助的な手段としてお考えいただけましたら幸いです。

四季咲き品種のアーチやトレリスへの応用
こちらは少し上級向けアレンジといえるかもしれませんが、試みとして興味深いものですのでご紹介させていただきます。
四季咲き品種の中でも比較的初期の品種、ティーローズやチャイナローズ、また一部のフロリバンダローズの中に、つる仕立てに適した品種が存在します。
四季咲き木立性ばらは剪定して木立状に管理するものと、一般的には捉えられております。しかしながら、ばらはもともとつる性が基本です。そのため、枝が柔らかく、花付きの良い中輪までの品種を選ばれることで、美しい四季咲きのアーチを作りことが可能となります。
四季咲き品種なのでアーチの弧の部分から強いシュートが多数伸びることもありません。上記「花後に頂部からのシュートが発生する問題」も自然と解決されます。少し時間はかかりますが、アーチには最も合理的な品種選択といえます。
四季咲き木立種を使ったアーチ向け品種
下記にアーチ仕立てが可能な四季咲き品種の例をご紹介します。


