ピース – Peace
20世紀を代表する傑作品種。バラの歴史を大きく変えた、フランスの大育種家「フランシス メイアン」の最高傑作の1つです。巨大輪の先駆的品種であり、黄色の花にうすいピンク色の覆輪が入るふっくらとした花容、照りのある大きな葉、まとまりよく伸びる樹に巨大輪であるにも関わらず良好な花付き、そして強健な樹勢、良質な性質を多く持ち合わせたこの品種は戦後世界的大ヒットとなりました。特徴的な照り葉は、交配親の「マーガレット マグレディ」より受け継がれたものです。
巨大輪の花が大変評価され、交配親としてもよく利用されました。コンフィダンスなどのピース直系の品種(交雑第一世代・1F)はモダンローゼス XIの中でも280品種以上あります。孫品種まで含めれば膨大な数になります。これらピースの子どもたちを総称して「ピース ファミリー」と呼ばれています。
最初の名前はピースではなく「マダム アントワーヌ メイアン」で、作出者の母クラウディアに捧げたバラです。第二次世界大戦の時代に作出され、戦渦の中一度無くなりかけていましたが、アメリカで密かに保存されていたようです。また、イタリアやドイツにも芽が送られ、一度消息を絶ちましたが密かに栽培されていことがわかり、イタリアでは「ジョイア(幸福)」、ドイツでは「グローリア ダイ(神の栄光)」の名前で流通していたようです。
ベルリン陥落のニュースが世界中を駆け巡り、戦争のない世界を願ってConard-Pyle社が「ピース」と命名しました。「ピース」は世界中で大ヒットとなり、日本にももちろん輸入され、飛ぶように売れたようです。現在でもその価値は衰えること無く、栽培され続けています。
品種名 | ピース |
---|---|
ローマ字 | Peace |
商品番号 | 1180240 |
系統 | ハイブリッド ティー (HT) Hybrid Tea |
成長形態 | 木立性 |
咲き方 | 四季咲き |
香り | 微香 |
花径 | 12㎝ |
樹高 | 1.2m |
樹形図 | 1c番 半横張り |
作出年 | 1935年 |
作出国 | フランス |
作出者 | Francis Meilland |
別名 | Madame A. Meilland , Gioia , Gloria Dei |
その他 |
交配 |
( [ George Dickson × Souvenir de Claudius Pernet ] × [ Joanna Hill × Charles P. Kilham ] ) × Margaret McGredy |
※2025年新苗のご予約につきまして |
---|
台木の入荷数が減っているため、来季の新苗生産数を落としております。あまり数多く生産できないため、ご予約数によっては一部の品種で数を制限する場合がございます。申し訳ございませんが予めご了承ください。確実な入手をご希望の場合は、在庫のある品種でしたら「大苗」をご検討いただけましたら幸いです。 |
※表示中の「大苗」のお値段は概算価格です。 |
---|
生育状況が各苗、また季節ごとに異なるため、概算価格での表示となっております。ご注文後に再度「お見積り金額」をメールにてお知らせしております。大苗の価格は表示価格よりお安くしていることが多いです。 |
※つる性品種の大苗表記は原則「長尺苗」です。 |
---|
つる性品種における「大苗」表記ですが、当方ではつる性品種に対して剪定は行なっていないため、大苗であれば原則「長尺苗」となります。枝が長い状態でお送りさせていただきます。 |
樹形図番号 1c番 半横張り の樹形
四季咲き木立品種限定の樹形図番号です。
四季咲き品種は気温さえあれば安定して何度も開花するため、枝は固くなり早期に自立します。枝が伸びやすい方向は品種によって異なり、「半横張り」は比較的「枝が横張り気味」の樹形となる品種に割り振っています。
ただ、「半直立」とそこまで大きな差はなく、あくまでそのような傾向にある程度にお考えいただければと思います。冬の剪定時に内芽、外芽を意識することである程度樹形を調整可能です。
この品種は『四季咲き 木立性』品種です。
『四季咲き』品種は、生育期間中に一定の気温以上が確保できれば、伸長した枝先に必ず開花が起こる性質を持った品種たちです。一部の例外を除き、つる状に枝を伸ばすことはありません。
気温されあれば、春から初冬までに何度も開花が見られます。開花から次の開花までに要する時間は気候条件と品種の特性によって異なりますが、冬以外は安定したサイクルで開花が見られ、枝を切ってから次の開花までの時間を予測可能であることが特徴です。
このような性質があるため、9月上旬頃の「夏剪定」による開花調整が有効な品種たちで、特に大輪花であるほど効果的です。
一定以上枝が伸びれば必ず枝先に開花が見られるため、四季咲き品種は極端に枝が伸びることが無く、また花ガラ切り(凋花切り)により都度「節」ができることから株立ちは『木立状』になります。また、剪定による管理が基本で、冬になれば樹高を低くして次年度の春の開花に備えます。
詳しい性質は下記のコラムページをご覧ください。
撮影日 | 2017年5月24日 |
撮影場所 | 当園ハウス内 |
撮影情報 |
Nikon D70s , Nikon AF-S DX Zoom-Nikkor 18-70mm f/3.5-4.5G IF-ED , 39mm , F8 , 1/125秒 , ISO250 , 5000K |
撮影日 | 2018年5月29日 |
撮影場所 | 当園ハウス内 |
撮影情報 |
OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II , OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II , 63mm , F5.5 , 1/400秒 , ISO100 , 4700K |