台芽かき

台芽かき

確かに最初は○○○の花が咲いていたのに、勢いの良いシュートを大切に伸ばしていたら、いつのまにか白い小さな花ばかりが咲くようになってしまった・・・

上記のようなお問い合わせを時々頂きます。

国内のばら苗はたいてい野ばら台木(ロサ・ムルティフローラ)に接ぎ木して生産されるため、接ぎ木した本来の品種ではなくもとの野ばらの芽がシュートとして伸びてきてしまうことがあるのです。

このシュートを放置しますと、野ばらの勢いが良いため接ぎ木した品種の方が負けて、やがてはすべて野ばらに戻ってしまいます。

台芽が伸びている様子

赤で囲ったシュートはすべて台芽(野ばら)です。

真ん中にある本来の品種(真ん中のつぼみがついた芽)と枝の伸び方、葉色、形など異なることが分かります。辛うじて本来の品種が残っていますが、このままでは台芽の勢いに負けて枯れこんでしまう可能性があります。

そこで、「台芽かき」という作業が必要になってきます。

接ぎ木した品種のシュートは大切にしなければいけませんので、ここでは台芽との見分け方を解説致します。
台芽の特徴は以下の通りです。

  • シュートの発生位置が接ぎ口より下の方であること。
  • 枝にトゲがないこと(たまにトゲありの場合もあります。)
  • 葉は小型で浅めの緑、光沢がない

●シュートの発生位置が接ぎ口より下の方

上のトゲがある芽が接ぎ木した品種です。それよりも下の方から芽がでてきていますが、これが実際に植わっている台木の芽(野ばらの芽)です。これをシュートとして伸ばすと本来の品種が負けてしまいます。

シュートの発生位置が接ぎ口より下の方

●枝にトゲがないこと
●葉は小型で浅めの緑、光沢がない

当園ではトゲなし野ばら(ロサ・ムルティフローラ)を採用しておりますので、当園の株から出た台芽はトゲがありません。葉は浅い緑色で細長く、光沢がありません。

また、野ばらは一季咲きのつる性であり、春以外では開花せず、よく伸びます。花が咲いた場合は「白一重」の小ぶりな花です。

ロサムルティフローラの特徴

台芽と判断できたら出きるだけ早めに、付け根から切り取るようにして下さい。

本来は台芽発生を避けるため、接ぎ木は出来るだけ深い(根の方に近い)部分で接ぐのですが、首の浅い台木であったり、また根元からも台芽が発生することがあるので常に注意は必要かと思います。

購入した本来の品種の葉と明らかに異なる葉の枝が伸びてくれば台芽であると判断できますので、購入品種の葉の形状、質感の見極めが重要な判断ポイントとなります。

代表 – 姫野 由紀 著