カメラや体を動かし、視点を様々変えてみて撮影してみよう!
普段、どのような位置や体勢で撮影されているでしょうか。
普通に立ち、しっかりと脇をしめて目線の位置から撮影することが最も多いかと思いますが、カメラは移動させることができますし、体勢もしゃがんでみたり手を伸ばしてみたりと、様々な位置でシャッターを切ることができます。
特に人が普段感じ取っている「目線からの風景」とは違う視点、例えばしゃがんで地面すれすれの所から撮影したり、見上げてみたり、少しかがんで撮影するだけでも、非現実感が演出できて印象的な写真になりやすくなります。
同じ被写体でも、様々な視点から向き合うことで、今までにない写真が撮れるようになるかもしれません。一枚だけ撮らず、視点を変えて何枚も撮影することが重要です。
上から見下ろして撮影してみる
恐らく最も一般的な位置からでの撮影になるかと思います。
被写体に向かって普通に立ち、目線の位置から見下ろして撮影する、といった感じです。特に意識しなければ自然とこのような体勢になるかと思いますが、この位置だとどうしても「日常生活の目線(アイライン)」から見た平凡な写真になりがちです。
もちろん、これが悪いというわけではありませんが、もしこの位置からの撮影以外の経験がない場合は、ここからもう一歩進んで別の角度から撮影することを意識してみられるとよいでしょう。
ちなみに、上の写真の品種は「ヘルシューレン」になりますが、この品種は葉に大きく絞りが入るという大きな特徴を持っているため、その特徴も含めて一緒に写るように上から撮影しています。
斜め方向から撮影してみる
多くの園芸植物において、一般的かつ美しく撮影できる位置かと思います。
被写体に対して少し斜め方向から撮影します。特に花が大きく存在感があるばらに対しては効果的な演出が期待できる位置で、当園の商品写真もほとんどはこの位置から撮影したものになります。
ハイブリッドティーローズのような、一輪を楽しむ品種の場合はさらに見栄えがよく、すらりとのびたステム、花弁が盛り上がる「高芯咲き」を引き立ててくれます。もちろん、つる性ばらであっても効果は高く、奥行きや大きなボケを演出できたり、背景の整理がしやすかったりと多くのメリットがあります。
斜めから撮影するために、少ししゃがんで撮影してみるのもおすすめです。背面モニターがあるカメラであれば、これを駆使して腰辺りまでカメラを下げて撮影するのもありです。
地面近くまでカメラを下げて撮影してみる
カメラを地面近くまで下げた位置から撮影してみます。特に非日常感を演出したい場合に有効な姿勢です。
人の日常ではあまり体験しないような位置から撮影することで、簡単に非日常感を演出することができます。ばらにおいては特にミニバラや花が垂れるような品種に有効で、地面から数十㎝程度の位置までカメラを下げて撮影するだけでも普段と違う写真が撮れます。
撮影時は、背面モニターがあるカメラならば積極的にモニターを利用しましょう。流石に地面すれすれのところまで頭を下げファインダーを覗いて撮影するのは結構きついです。
なるべく近づいて撮影してみる
被写体を大きく見せることでより強く印象付けることができる撮影位置です。
なるべく被写体に近づき撮影することで被写体を大きく写せるほか、背景が整理され余計な情報の排除がしやすくなり、すっきりと被写体に目が行く写真になります。また、背景がよりボケるようになったり、さらに前景を入れてボケさせることでふんわりとした雰囲気の写真も撮れるようになります。
ただし、注意点があります。レンズにはピントを合わせることができる「最短撮影距離」という指標があり、被写体からカメラまでの距離がこれより短くなるとピントを合わせられずピンボケを起こしてしまうので注意しましょう。