ダマスク

ダマスク・ローズは何といってもその香りで名高い系統です。「ガリカ・ローズ」と「ロサ・フェニキア」もしくは「ロサ・モスカータ」の交雑により生じたもの、また最近の研究では「ロサ・フェドチェンコアナ」と関連があるとの発表もある通り、現在では原種とは考えられていません。
ダマスクの名はシリアの首都ダマスカスにちなむとされ、また古代ギリシアのヘロドトス(BC485頃~)が「他のばらに優る芳香を放つばら」として記述を残していることなどからも、栽培の歴史は相当古いものであることが推測されます。ブルガリアや南フランスなどで現在も香料採取のために栽培され、また唯一返り咲きをもつキャトル・セゾン(オータム・ダマスク)は庚申バラとの交配によりのちにブルボンローズやポートランドローズを誕生させます。