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2018年新年のお慶びを申し上げます

新年のお慶びを申し上げます。

気持ちをまっさらにして今年も昨年以上に、
多くの良きものをお届けできますように、心つくしてまいります。
皆様のすばらしい新年の幕開けを、ばらたちとともに、
スタッフ一丸となってお祈り申し上げております。

仕事柄、滅多に遠出をすることはありませんが年末は少しだけ、時間がとれます。
やはり新年にふさわしいものといえば富士山。

普段山にこもっているだけに、海への感動もまたひとしおです。
皆様の歩まれる道がこの光のように輝き、守られていますように。

●姫野ばら園八ヶ岳農場 代表 姫野由紀

富士山

2017年、年の瀬に寄せてのごあいさつ

今年も無事に、一年の締めくくりの時を迎えることとなりました。

ひとえにご支援いただいておりますお客様方、仕入れ関係の方々、同業の方々、ご縁のあるすべての皆様方に深く感謝を申し上げます。お写真や物品をお送りいただくこともあり、本当に身に余ることと、そのお心の温かさに感動するばかりでした。ありがとうございました。

職場内のこととなりますが、お身内の介護で休職される方が多く発生した年でもありました。老いや介護、病気…できれば避けたいけれど、人間として必ず通る道でもあります。その渦中にあればなかなか冷静ではいられませんが、いつかは美しい学びとして昇華できますように、それらも含めた生をまっとうして参りたく存じます。

新年からはまた、まっさらな気持ちで、今まで以上に心込めて参ります。

新たな企画も計画中ですし、カタログの準備や接ぎ木も…日々やることがいっぱいです。
心身を整えて参りたく存じます。

すぎゆく2017年、この神聖なときを感謝の気持ちと共に送り、新たな希望に満ちた、清々しい新年を皆様がお迎えくださることを願い、結びの言葉として納めさせて頂きます。

●姫野ばら園八ヶ岳農場 代表 姫野由紀

サマースノー
▲サマースノー

惹かれる、ということ

秋もいよいよ深まってまいりました。紅葉が見頃の地域も多いことでしょう。

ばらも四季咲きの品種は霜が降りるまで、良い花を咲かせてくれます。
今回は好きな品種のことなどを少々、綴ってみたく思います。

ばらに生業として関わるような人は、たいていすべてのばらを愛しているものです。それでも人により「特に惹かれる品種」が存在していることもまた、事実です。

私の場合はHT種の「ドレスデン」という品種です。花弁が多くて咲ききれないこともあるのですが、真珠のような美しい色彩と高い芳香が素晴らしい品種です。深い緑の葉との調和がよくて、ドイツの美しい都市の名にふさわしいばらと思えます。

●ドレスデン – Dresden
https://himenobaraen.jp/rose/hybrid_tea/dresden.html

前代表であり、ばらの師匠でもある村田晴夫もさまざまなばらを愛していましたが、そのうちのひとつがHT種の「ジョセフィン・ブルース」です。本人が残してくれたコメントがありますので、ご紹介させていただきます。

「ベルベット光沢を持つ黒バラである。最愛の黒バラと惚れ込む人もいる程の美麗花である。半剣弁盃状咲で花は非対称で花芯を中心に花弁の拡がりは不規則である。これは極端な横張り性の樹形から来ている。強く香るダマスク香も人の心を鷲掴みにする魔力を持つ。無論村田最愛のバラの一つである。(浮気性は幾歳になっても止みませぬな)。皆美しすぎるのです。バラの数だけ夢を見ていたいものである。」

ジョセフィン・ブルース
▲ジョセフィン・ブルース

私はまだこの品種を十分に作り込めているとは申せませんので、今年は大鉢に仕立ててみて、その魅力をもっと追求してみたいと考えております。他の人の惹かれる入り口に興味を持つことは、自分の世界を広げてくれることにもつながり、また違った楽しみがありますね。

惹かれる人
惹かれる仕事
惹かれる場所…

「惹かれる」という心の動きには、私達が忘れてしまっている、だけど本来は失われていない魂の目的を、思い出すためのヒントが詰まっていると感じます。その人がその人らしく、いちばん輝ける人生の舞台を、「惹かれる」気持ちが教えてくれている、そんな気がしてなりません。

また、今はもう会えないけれど、大切だった人の「好きだったもの」「好きだったこと」なども、その後を歩んでいる私たちに、大きな希望と勇気を送ってくれるものだと思います。

明るくなれない日も、元気になれない日もある私達ですが、そっと示されたその温かさをたよりにより深くすべてを味わうことが出来たなら、素敵なことだと思います。

「惹かれる」気持ちは私達が希望を失わずに歩いて行けるように、また天から託された使命を果たせるように、人々の心にそなわった道標、守護の力なのだと感じております。

小さな いのち

各地で梅雨明けの発表がされ、暑さも本格的になってまいりました。

ばらたちは意外に暑さに強いですが、水を好む植物ですので、猛暑が続くときは地植えであっても灌水が欲しいところです。また、肥料の分解も早くなりますので、順調に根の張っている苗でしたら、こまめな施肥があると尚良いでしょう。(夏場は肥料を与えてはいけないと思われている方もいらっしゃいますが、適量であれば問題はありません。)

6月下旬から7月にかけて、私の自宅付近や農場ではホタルやオオムラサキなど、この季節にしか見られない、小さな美しい生き物を見ることができます。
オオムラサキの雄はとても美しく、飛翔が早く「あっ」と思う頃にはもう飛び去っていってしまいます。あまり羽をパタパタさせず、とても優雅に、なめらかに滑空します。1年だけの命を懸命に輝かせ、産卵が終わる8月には力尽きてしまいます。

ホタルは、以前は農場付近でももっとたくさん見られたのですが、最近は本当に少なくなってしまいました。闇夜に浮かぶ輝きはやはり幻想的で、毎年見ていても飽きることがありません。巣立ったばかりのモズやコムクドリのヒナたちも、まだ家族で暮らしていることが多くとても賑やかです。

ばらの育苗作業では消毒がかかせません。それでもいろいろな生き物たちが、少なくなってしまったとはいえ、懸命に命をつないでいる様子を目の当たりにしますと、ただ愛おしさがつのります。
ばらの中でも一部の原種やハマナスの仲間には、消毒なしでも成長できる品種がありますから、そのような品種たちに活躍してもらって、多くの生き物が集う植栽ができればまた楽しいことだろうと夢見ております。

一方で2年生苗たちも順調に育っております。暑い中での作業はいろいろな面でこたえますが、丹精込めて仕立てる楽しさもまた、ばらづくりの喜びと思えます。

ニッコウキスゲ
▲霧ヶ峰 ニッコウキスゲ群生地

ニッコウキスゲと野鳥
▲ニッコウキスゲ と ホオアカ(鳥)

すごく久しぶりに霧ヶ峰高原まで足を伸ばしました。当農場から車で約1時間です。昔はもっと群生していて、まさに黄色の絨毯のようであったとか。私がかつて訪ねたとき(15年ほど前)もまだ、その面影は残っていました。その後鹿の食害、盗掘などによりとても減ってしまったニッコウキスゲ。電気柵はものものしいですが、地元や有志の方々の懸命の努力により、植生の回復が試みられています。

祖父の思い出

暑さが続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

再びお盆がめぐってまいりました。お盆中もお仕事の方もいらっしゃると思います。(私たちもそうです!)
故人の魂がこの世に近くなるといわれ、亡くなられた方々を偲ぶ時期でもありますね。

今回は、私の母方の祖父の思い出を綴らせていただきました。もしよろしければお付き合頂けましたら幸いです。

母方の祖父は、長い間経営者を務めた人でした。
私よりももっとずっと規模の大きな会社で、関西の繊維関係の会社を経営していました。定年退職後、さらに裁判所からの依頼で同じ業種の他の会社の管財人となり、後にその会社の社長、さらには会長となり80歳まで現役で仕事をしていました。

そのため祖父の家に遊びに行くと、「おじいちゃんは今日もお仕事に行ってるの。」と不在であることがほとんどでした。それでも夕方帰ってくると「やあ、いらっしゃい」といつも大きな声で歓迎してくれましたが、当時の私は幼くて、到底祖父と話を合わせることができませんでした。山登りが好きで、また大変な読書家でもあり、遊びに行ったときは書斎の本を読ませてもらうのが楽しみでもありました。

代表という立場になってはじめて、祖父の背負っていたのもがどのようなものであったか、わずかながらわかる気がしました。とくに二つ目の会社は一度経営破綻してしまった会社です。

再建には言葉にできない苦労があったのではないかと思います。
生きていればいろいろアドヴァイスもくれたかもしれません。私が代表という立場に立ったことに驚きながらも、天国から応援してくれているように思います。

立派なキャリアを築いた祖父でしたが、好きな言葉のひとつが
「明日を思い煩うことなかれ。」であったそうです。
あ~、なんか分かるなあ、と思いました。将来への不安は誰しも抱くものですが、とくに経営する立場になるといつもその不安とのつきあいのようになってしまい、思い悩むことばかりに無駄に時間を使っていたような気がします。

でもだんだんとそれにも疲れ、不安でもなんでも、まずは実行してみるしかないと開き直りはじめたころに、「明日を思い煩うことなかれ」と聞き、より深く納得できた次第です。

思えば子どものころはあんなに無邪気に今この瞬間に集中できていたのに、大人になるととても難しい。本当は誰もが今しか生きられないことを知っているのに、ついまだ起こってもいない出来事で、心を煩わせてしまいます。大人としての思慮も身につけながら、なおかつ子どものような純真さを保つというのは人生の一つの挑戦でもあるのでしょう。

可能な限りの良い種をまいて、いつの間にかあらっ、綺麗な花が咲いている!と思えるように、今を生きることができればと思います。先に天に帰られた方々を偲びつつ、「明日を思い煩うことなかれ」を真の意味で積極的に受け止め、今いちど日々の在り方を見つめなおす機会にしたいと思っています。

蓮の花

▲農場近くで咲く蓮の花。蓮の花の美しさはまさにこの世のものとは思えないほど。本当に神様の世界を体現したようなお花ですね。この時期の楽しみです。

黒星病予防のコラムを書き下ろしました。

8月に入り、八ヶ岳もいよいよ暑くなりました。

ブログを放置してしまい申し訳ございません。ご来園頂いたお客様、その他さまざまにメッセージを頂いたり、お写真などお送りいただいたり、本当にありがとうございます。いろいろ至らない身でありながら、ご支援を頂いておりますことに改めて深く、感謝申しあげます。

暑さが厳しく、ばらも人もちょっとお疲れ気味…私共の農場がある富士見町は、標高が1000mありますので熱帯夜はありません。空気も比較的さわやかです。ゴのつく嫌な虫がいないのも本当に嬉しく…(余計)

ただ、喜んでばかりもいられないことが
それはあの最大の敵、黒星病の勢いが真夏でも止まらないことです。

定期的な薬剤散布を行っていても、株数が多いということもあって本当に油断も隙もありません。特に私達は鉢仕立てということもあって、こまめな施肥が必要となります。肥料が切れ、鉢土も根でいっぱいになると黒星病が発生してきます。このことから肥料も多すぎては害になるものの、黒星病の発生をおさえるにはやはり必要
不可欠と感じられます。

黒星病予防につきまして新たな記事を書き下ろしてみましたのでご興味のある方は、コラム記事の方もご覧いただけましたら幸いです。この記事を書くのはなかなかに難しくて、また当方は営利で栽培しているということもあり、農業用薬剤の使用がどうしても前提になります。

 ○コラム:黒星病への対処方法

薬剤散布は本当に大変な作業で、暑いし、散布する量もかかる経費も一般家庭とは比較になりません。体の疲れも相当なものです。私も首や肩が痛くて困ったことがあります。薬剤散布しなくてもよければ本当にどんなに楽でしょうか!

あるとき、どうしても薬剤にかかる経費をおさえたくて薬剤を薄めたり、普段とは違う使用方法で散布したりしたことがありました。 結果は惨憺たるものでした。経費の面でも、体力的な面でもまったく気の抜けない過酷な作業が薬剤散布なのです。そして多くの生産者はこの本来避けて通りたい作業を、自分の健康や利益を犠牲にして行っています。

それはひとえに「よいものをお届けしたい」という使命感あってこそのもので、スーパーに並んでいるお野菜や、園芸店のお花などもそのように手間をかけて大切に作られているものですから、不用意に貶めるような発言は避けてほしいと個人的には思います。

少し話が脱線してしまいましたが、乾燥が激しい時期でもありますので葉がついている苗には地植えであっても積極的な灌水が望ましいですし、病害その他で落葉してしまっている場合は土の表面が乾いてから行って下さい。

暑さで弱っても、秋になって熱帯夜がなくなると、ばらも元気を取り戻します。
美しい秋の花にむけて、もうひとがんばりの毎日です。

ねこ

数学の話

ばらとは直接関係のない話で申し訳ございません。
今回は私の大学時代、数学の講義での思い出です。もしもし、よろしければお付き合い下さい。

私の両親は父が物理、母が化学を修めておりましたので、いわば完全に理系の人たちでした。特に母は実際に、数学の講師でもありました。

だけど私は理系のお勉強はなにか難しくて苦手というイメージがあり、真剣に勉強したのは高校受験の時くらい。特に高校に入学してからは美術系の学部志望ということもあり、また学業のレベルも高校の内容は中学よりずっと難しいですからどんどんおざなりに…

その中でも微分や積分、ベクトルなどはまだ理解しやすく割合に好きな分野でした。

大学に入ってから、一般教養の科目の中で「数学」を履修できることを知り、高校生の時おざなりにしてしまった後悔も少しあって、講義を受けてみることにしました。

ところが…です!

先生が語られた数学はこれまでに教わったものとは全く異なるものでした。
出てくる言葉は「宇宙」「N次元」「N乗」「位相」…

具体的な数字は何一つ出てきません。いったい今までの数学はどこへいってしまったのでしょうか??
先生のお話はどんどん哲学的になり、もはや理解の範囲を超え、ぽかーんと聞いていることしかできない私でした。それでも先生が「数学」という手段を使ってこの深遠なる宇宙のなりたちの解明に挑まれていることに、とても喜びを感じておられるのだということだけは、理解ができました。

広大すぎる宇宙の前にはあまりにも小さなわたしたちですが、その思考はどこまでも深く、また限界もないのですね。そのことを何か、この講義から教わった気が致しました。

とはいえ、最後に私がどのようなレポートを提出したのか全く覚えていません…
あの理解の出来なさではレポートとしての体をなしていないことは明白でしたが、先生が付けて下さった評価は「優」

本来は「優」であるはずなどありえませんが、先生はきっと「休まず講義にでてくれてありがとう。宇宙はこんなに広大で、挑戦の余地がある。瑣末なことにとらわれず、自分の選んだ喜びに心血を注いで、歩んでいってほしい。」とエールを送ってくださったのではないかと思っています。

あの時垣間見た数学の不思議な世界。

ばらの育成や日々の雑事に追われる中でもふと思い出しては、この世界の、そして自分の心の広がりと可能性に思いを馳せ、必ず限界という壁を溶かしてゆけることを信じてまた歩みたい…。そんな優しい希望と感謝を新たにさせて頂いております。


▲青空に映える辛夷の花

今年は花つきがとても良いみたいです。他の木々が芽吹く前に、さみしい風景を癒やすかのように、ふっくらと優しい希望を運んでくれます。


▲富士見町葛窪地区の湧き水の流れ

尽きることなく湧き出る清澄な流れ。田畑を潤す命の水として、大切にされています。

座禅草と福寿草

福寿草

こちらのページは園主が日々思ったことを気ままに綴っているカテゴリです。
ばらとは関係のない話が中心ですが、よろしければお付き合い下さい。
週一回くらいの更新を自己目標と致しております。

久しぶりに自然に咲く、季節の花を鑑賞する機会を頂きました。
まわりの状況がどのように変化しようとも、季節の移り変わりがもたらす恵みは不変ですね。私の出身地(奈良県)には自生のない花ばかりなので大感激です。

座禅草
▲たけのこのようにたくさん出始めた座禅草。

座禅草2
▲ぽっと灯ったあかりのような花の部分。実際には悪臭があるとのことなのですが見た目は地味ながらも可愛らしい感じです。

福寿草2
▲自生の福寿草。たんぽぽのようにたくさん群生していてとても見事でした。春の日だまりそのもののような、明るい希望に満ちた花です。

新年度が始まりました。

新しい土地や職場で新たな出発をなさった方もいらっしゃることでしょう。
変化はときに大きな傷みや恐れをもたらすものですが、変化を受け入れ対応してゆくことで、また違った自分に出会うことができます。すべてが良き学びの機会であることを信じて、人生に途切れることなく現われる、未踏の山への挑戦を続けてゆきたいと思います。

剪定に続き施肥、除草、そして一番大変な消毒作業もまた再びと、ばらたちの手入れもとても、忙しくなってまいりました。

暖かくなると虫たちも大活躍し始めますので…! 

一瞬たりとも気が抜けませんが、今年もまた、美しい花に出会えることにわくわくしながら過ごせるこの時期は、やはり一年の中でも一番活気に満ちた季節です。

ねこ