そどおり姫(衣通姫) – 神秘的な趣がある日本生まれの花
本日、当園で初雪となりました。すぐに溶けるような量ですが、注意したいところです。
本日ご紹介する品種は日本人作出のHT種「そどおり姫(衣通姫)」です。
日本を代表する育種家、小野寺 透 氏による作品で、「そどほり姫」が本来の表記とのことです。「そどほり姫」(衣通姫)は古事記および日本書紀に登場する皇族の女性で、美しさが衣を通して光り輝いていたという伝承があります。
謎の美女にふさわしく神秘的なおももちを持ち、白色の大きな花は剣弁高芯に整い大変見応えがあります。気候によって花の中心が緑色を帯びるとその神秘性が際立ちます。
花弁が多く花径が大きいのでうつむくこともあり、またいつもきれいに咲くわけではありません。しかしそのような気難しい一面が、かえって挑戦する意欲をかきたてることも事実です。樹勢も難ありのような言われ方をされることがありますが、こちらに関しましては、特に脆弱さは感じられません。
やや横張り気味に大きな株に育ちます。ほのかにティの香りが漂います。ばららしい気品を何よりも愛する方にとっては、今もなお外せない品種のひとつといえましょう。