ケンティフォリア

「100枚の花びら(または葉)」という系統名から察するとおり、オールドローズらしいエレガントな花容と芳香に恵まれたケンティフォリア・ローズ。幾重にも重なる花びらとカップ状の花型は本当に魅力的です。自然交雑により生じ16世紀頃からオランダで改良され、18世紀初めに系統として完成したといわれています。現存する品種は少ないながら、現代のばらへと続く交配の歴史に確かな足跡を残し、またマリー・アントワネットの肖像画に代表されるように、絵画にも多く描かれたことで知られています。
変わらずに美しいその花容からは、革命と社会不安の時代に生きた人々の情熱と叡智が込められているように思えます。「キャベッジローズ」の名も生まれ、肖像画でマリー アントワネットが手にしているばらもこの品種といわれています。香は濃厚なダマスク香で花弁数が多いためか、より強く感じられます。