月別アーカイブ: 2015年12月

小スペース向きの半つる性 – 「コンテス セシル ド シャブリラン」

コンテス セシル ド シャブリラン – Comtesse Cecile de Chabrillant

来年に向けて接ぎ木作業を始めました。これから年に一度の生産時期です。

本日はハイブリッドパーペチュアルローズの「コンテス・セシル・ド・シャブリラン」(セシル・ド・シャブリラン伯爵夫人)をご紹介させていただきます。

コンテス セシル ド シャブリラン – Comtesse Cecile de Chabrillant

ころんと丸い、ディープカップの美しい花といえば「ラ・レーヌ・ヴィクトリア」がとても有名で、それに比べると控えめな存在という感が否めません。しかしとても愛らしさに満ちた捨てがたい品種なのです。
「ラ・レーヌ・ヴィクトリア」がつる状に、かなり長く枝を伸ばすのに対して「コンテス・セシル・ド・シャブリラン」は株元から多くの枝を発生させる自立型の株立ちとなり、枝の伸びも2mくらいまでです。

花付きがとても良くてあまり誘引できなくても咲き、(もちろん誘引するとさらに咲き、)独特の甘い香りも魅力的です。弁質も比較的良くて、雨に負けず多くの花を楽しませてくれます。春の開花後、夏までにもう一度開花します。

良好な花付きを生かしてアーチ仕立てやトレリス、窓辺のアクセントなど、小スペース向きの半つる性ばらといえます。2年生長尺苗の在庫が若干数ですが、ございますのでもしこの品種が気になっている方がいらっしゃいましたら是非。

直線的な枝ぶりなので枝の使いこなしはやや上級向きと思え、ラ・レーヌヴィクトリアのようにつるばらとしてメインを張れるわけではありません。また、この系統の宿命ともいえますが、うどんこ病や黒星病にはやはり注意が必要です。

株が充実して枝一面にびっしりと花を咲かせた様子は本当に見事で胸に響くものです。
丸い花たちが楽しく華やかなメロディーを奏でてくれているような、そんな気持ちにさせてくれる、優しさと明るさにあふれた品種です。

シックな絞りの花、トゲの少ない枝も嬉しい – 「オノリーヌ ド ブラバン」

オノリーヌ ド ブラバン – Honorine de Brabant

水たまりも氷が張っています。本格的に冬が来ます。

本日ご紹介する品種はブルボン・ローズ「オノリーヌ ド ブラバン」です。

オノリーヌ ド ブラバン – Honorine de Brabant

「コマンダン ボールペール」の枝変わり、と記述されているものもありますが、枝葉の特徴が違いすぎるので恐らく間違いかと考えています。可能性があるのならば「コマンダン ボールペール」と何かの交配種と考えるのが自然ですが、アメリカバラ協会・国際バラ品種登録局が発行している「Modern Roses Ⅺ」でも交配に関する記述はないので当園では「作出者、交配に関しては不明」とさせていただいております。

「オノリーヌ ド ブラバン」の特徴は人目を引く絞りの花です。白地に灰色味をおびた赤紫色のストライプが入ります。葉も明るい緑色の葉でよく茂り、爽やかな印象の中にシックな花色が共演しています。甘いキネンシス系の香りもあります。

他に絞りが入る品種として同系統に「コマンダン ボールペール」と「バリエガタ ディ ボローニャ」があります。特に「バリエガタ ディ ボローニャ」は有名です。「オノリーヌ ド ブラバン」はこれら品種と比べた時、トゲが少ないという点が有利です。すらりとした枝にはトゲが少なく、誘引作業も容易で扱いやすいのが利点です。「バリエガタ ディ ボローニャでは少しトゲが多いかな」と考えている方は、「オノリーヌ ド ブラバン」が大変おすすめです。

「バリエガタ ディ ボローニャ」は一季咲きですから、返り咲きが欲しい場合は「オノリーヌ ド ブラバン」を選んでみるのもよいでしょう。ただ、「オノリーヌ ド ブラバン」の返り咲きは夏頃までで、秋にはあまり開花しないのでご注意ください。返り咲きが少ない分、枝の節が少なく曲げやすくなっているので、返り咲きが少ないというのも強ちデメリットというわけではありません。

若干自立型の株立ちとなりますので壁面や窓まわり、ガゼボ等、ある程度上方向に枝が伸ばせる場所へ植栽します。ステムの長さも程よく、花付きも良い。絞りの花が個性的な美しさを演出してくれるでしょう。

新しく品種が加わりました!新苗予約受け付け中です。

本年、新たな「古花」が仲間に加わりました。

当園では古い品種の保存にも力をいれておりますので、新しく入荷したといっても古い品種です。いずれの品種も、今となっては入手が難しくなってしまいましたが、バラの歴史を彩ってきた貴重な品種たちです。シルクのような薄く可憐な花弁、細く繊細な枝ぶりは古い品種ならではの特徴です。作出された時代の情景も思い描かれます。ブランド品種が最盛期である昨今、またこういった個性あふれる品種達にも目を向けていただければ幸いです。

現在、来年の春「新苗」のご予約を受付中です。
詳細は下記ページをご参照ください。

今年新しく加わった品種のご紹介!新苗予約受け付け中

新品種

神秘的な趣がある日本生まれの花 – 「そどおり姫(衣通姫)」

そどおり姫(衣通姫) – Sodori Hime

本日、当園で初雪となりました。すぐに溶けるような量ですが、注意したいところです。

本日ご紹介する品種は日本人作出のHT種「そどおり姫(衣通姫)」です。

そどおり姫(衣通姫) – Sodori Hime

日本を代表する育種家、小野寺 透 氏による作品で、「そどほり姫」が本来の表記とのことです。「そどほり姫」(衣通姫)は古事記および日本書紀に登場する皇族の女性で、美しさが衣を通して光り輝いていたという伝承があります。

謎の美女にふさわしく神秘的なおももちを持ち、白色の大きな花は剣弁高芯に整い大変見応えがあります。気候によって花の中心が緑色を帯びるとその神秘性が際立ちます。

花弁が多く花径が大きいのでうつむくこともあり、またいつもきれいに咲くわけではありません。しかしそのような気難しい一面が、かえって挑戦する意欲をかきたてることも事実です。
樹勢も難ありのような言われ方をされることがありますが、こちらに関しましては、特に脆弱さは感じられません。

やや横張り気味に大きな株に育ちます。ほのかにティの香りが漂います。ばららしい気品を何よりも愛する方にとっては、今もなお外せない品種のひとつといえましょう。