月別アーカイブ: 2015年3月

テリハノイバラの血を引く耐病性抜群の緑色ミニバラ – 「グリーン アイス」

バフ ビューティー – Buff Beauty

本日ご紹介する品種は、緑色のミニチュアローズ「グリーン アイス」です。

○品種解説ページ: グリーン アイス – Green Ice

蕾のうちは紅が差し、開花直後は白色、咲き進んでいくと「緑色」の花へと移り変わっていく珍しい品種です。派手な色ではありませんが、その色調変化が大変美しい。ミニチュアローズのため完全な四季咲き性、春から初冬にかけて連続して開花します。花数もミニらしく大変多く、常に足元を彩ってくれます。

小型に収まるミニチュアローズの中では枝が伸びやすいタイプです。これは日本のテリハノイバラ(旧ロサ・ウクライアナ、現ロサ・ルキアエ)の血を引いているためです。テリハノイバラは名前の通り照りのある葉を持ち、伸長力旺盛で匍匐性の樹型となります。ランブラーローズの中に匍匐性の枝がよく伸びる品種(フランソワ・ジュランビルなど)がありますが、起源となっている原種は同じテリハノイバラです。

グリーン アイスもテリハノイバラの子供なので、横張り気味に枝を0.6m~0.8mほど伸ばします。少し枝が垂れミニチュアとしては大型に茂ります。花壇のボーダーや足元隠しにも最適です。

テリハノイバラ由来の耐病性も魅力です。庚申バラ由来の「四季咲き」でありながら屈指の病害虫耐性を持っています。通常の管理をしていれば、無農薬でも黒星病やうどんこ病などにはほとんどかかりません。花ガラ切りを繰り返し行なっていれば十分開花してくれる、メンテナンスフリーの珍しい品種でもあります。(とはいっても、植物なので日当たりや潅水・肥料にはもちろん気を使ってあげてください。)

花の色づき

また、気温が下がってくる秋~初冬になると、「花」の赤味が強くで紅色になるのも特徴です。他の植物が紅葉している中、グリーン アイスは花も赤くなってくれるのです。一年を通して様々な姿を見せてくれます。

横に伸びることを考慮して植栽すれば後の心配事は少ない優秀な品種です。機会がありましたらぜひお手元に1ついかがでしょうか。

返り咲きがある杏黄色の花色、そしてムスク香 – 「バフ ビューティー」

バフ ビューティー – Buff Beauty

こちらの更新が滞り申し訳ございません。現在、2015年春のカタログを作成中のため、更新が遅れ気味であることご容赦ください。

さて、本日ご紹介する品種は、ハイブリッドムスクローズの「バフ ビューティー」です。

○品種解説ページ: バフ ビューティー – Buff Beauty

「バフ ビューティー」の魅力は、バラの花色としては珍しい樺色がかった杏黄色の花色です。この花色ですが、どこからやってきたものでしょうか。バフ ビューティーの交配は下記の通りです。

○William Allen Richardson × 実生種

「William Allen Richardso」は当園で保有できていないのですが、この品種はノアゼットローズで「レーブドール – Rêve d’Or(取り扱いあり)」の実生品種とされています。レーブドールの花色がベージュ色にわずかに杏色を含む、こちらも独特の花色をしているので、バフ ビューティーの花色もこの品種からいくらか持ち込まれたものでしょう。

バフ色(黄土色がかった黄色)の美しい花の名の通り、茶褐色を含んだ独特の花色が大変美しいつるばらです。赤みを帯びた新芽も花色によく調和し、春の花つきが一番よいのはもちろんですが秋の花はいっそう色が冴えて心を打ちます。甘くて重い、典型的なムスクローズの香りがあります。

枝はやや横張りで、フェンス等にも好適ですが誘引するとかなり長く伸び、5mを超すこともあるようです。刺もしっかりありますので、やはりそれなりの面積の場所で存分に咲かせてみたい品種です。長く伸びた枝を活かして窓まわりやパーゴラへの植栽も美しく、時間をかければそれなりに枝も増えて、美しい景観となります。

色調が独特ですので花の色合わせがややむずかしいでしょうか。

白や淡い黄色のものとまずは組み合わせて、それから紫や赤紫などを添えられるとよいでしょう。伸長力はありますが枝数自体はそれほど多くはなく、どちらかといえば株の姿も整いにくいです。少し枝が暴れますが花付きそのものはよいので、鉢仕立てでも十分に楽しめます。

師匠である村田晴夫は「美しいけれど枝が扱いづらい」というコメントを残していて、自ら植栽に使うことはあまりなかったようです。しかし、少し傾きかけた夏の日を思わせるような、どこかノスタルジックな花色と香りは抗いがたい魅力があって、やはりはずせない品種という気がします。

黄色のつるばらより大人びていて、ただ温かいだけではない不思議な色調に、今も多くの人々が魅了されています。