月別アーカイブ: 2015年1月

安定して高芯剣弁咲きになる花型が最大の魅力 – 「レディ エックス」

レディ エックス – Lady X

本日ご紹介する品種は丈夫なフランス産のハイブリッドティー「レディ エックス」です。

○品種解説ページ: レディ エックス – Lady X

淡いラベンダー色が基調ですが寒冷地ではさらに色が濃くなり、特に弁端が顕著に濃くなります。暖地では少しピンク味が強く出るようです。

この品種の最大の特徴は、何と言ってもその「剣弁」の花です。ハイブリッドティーには剣弁高芯咲きの品種は多くありますが、実は本当に安定して毎回しっかり剣が立つ品種というのは珍しく、気温が上がってきたりすると花弁が丸くなってしまう品種がほとんどです。

しかし、この「レディ エックス」に関してはその心配はほぼ無用です。夏でも花弁数は少なくなるかもしれませんが高確率で剣弁咲きになってくれるほど安定した花形を持っています。真の高芯剣弁咲き品種と言えるでしょう。

樹勢も強く、枝はトゲが少なくて半直立状にすらっとした株立になります。成長するとかなり大きな株になります。花付きも大輪花である割には良い方です。

基本的には一茎一花(1つの花茎に対して1つの花が咲くこと。房咲きの反対。)でステムも長めなので切り花にも向いています。実際、コンテストにも出されていたことがあります。ただ、花弁が多いので少し遅咲きです。

しいて欠点を挙げれば「香りが少ない」こと。高芯剣弁咲きで花形が整った品種は、一部香りの出ない交配があるようです。「リジェンダリー」や「マダムヴィオレ」などは香りが薄くなっています。

次に紫色の品種の宿命ですが「病気に少し弱いこと」です。紫バラの出発点となった品種は「グレイ・パール」なのですが、この品種は樹勢も弱く病気耐性も持ち合わせていません。そのため、この血を引いた大半の紫バラは病気耐性を持っていません。「ブルー・ムーン」然り、「スターリング・シルバー」然り。肥料切れを起こさないこと、薬剤散布等で葉を守ってあげる必要があります。

ただ、「レディ エックス」は ” 紫バラの中 ” では比較的強い方です。いくらか病気にかかることはありますが、その被害は抑えやすい品種かと思われます。

樹勢が強く丈夫に育ち、安定した高芯剣弁咲きになってくれる「レディ エックス」は大変貴重な品種です。サージェントの名画「マダムエックス」はモデルがはっきりとしていますが、この品種は誰をイメージしているのか、明らかではありません。魅惑的な花容と謎めいた花名。この花に込められた神秘は今後も多くの人を惹き付けてやまないことでしょう。

耐病性と耐寒性の高さも魅力の丈夫なフロリバンダ – 「ダグマ シュペート」

ダグマ シュペート – Dagmar Spath

本日ご紹介する品種は丈夫なフロリバンダローズ「ダグマ シュペート」です。
非常に丈夫で育てやすい品種ですが、いまいち知名度がないようです。

○品種解説ページ: ダグマ シュペート – Dagmar Spath

白地に淡くピンクのボカシが入る優雅な色調、そして多すぎない花弁がアイスバーグやサマースノーのようにシンプルな美しさにあふれています。Lafayette(ラファイエット)という品種の枝変わりで、元はピンク色の花です。なので、このダグマシュペードの別名として「Blanc Lafayette」という名前もあります。花を見ると、まれに濃いピンク色の絞りのようなものがでるのは、親のLafayetteに一部戻っているからかと思われます。ただ、品種の固定自体はしっかりしているようで、株全体が先祖返りすることはないようです。

花付きは大変良く、株いっぱいに花を咲かせる姿は美しいものです。フロリバンダローズの中では大型の部類に入り、樹高は80㎝ほど、枝は横張り気味に伸びますので全体としてはかなり大きな株になってくれます。

特に四季咲き品種の中では特筆するほどの耐寒性を持っているため、寒冷地でも丈夫に育ってくれるたくましさも魅力です。当園でも、外に植わっているダグマ シュペートの多くは枯れずにしっかり越冬してくれています。

耐病性も強い方で、総評すると非常に育てやすい品種になるかと思います。アイスバーグやサマースノーと比べると株ががっしりとして早く大きくなるので、植栽する場合は少し広い場所が必要になりますが、寒い中でもバラを植えたい!という方にはお勧めな品種です。

咲き乱れる姿はまさに星の群れ – 「群星」

群星 – Gunsei

本日ご紹介する品種はシュラブローズ「群星」です。

○品種解説ページ: 群星 – Gunsei

日本の作出家によって発表されました。「ロサ ムルティフローラ(野ばら)」の自然実生によってできた品種のようです。

蕾の状態では先端紅が挿し、開花すると純白の花となる、その対比・グラデーションが大変美しい品種です。野ばらの自然実生ということなので一季咲き、トゲも無くしなやかで伸長力があり、誘引もしやすい庭園素材として非常に優れた品種かと思います。満開時は「群星」の名前の通り、星が群れをなして密集した、満点の星空のような風景となります。

小輪房咲き、香りは少ないですが花付きは大変良く、優しい花と色彩はどのような品種とも良く調和し、組み合わせのバリエーションは無限大です。上の写真ではピンク色の品種として「宇部小町」が一緒に誘引されています。

うどんこ病にかかることはありますが、全体としては比較的病害虫への耐性を持ち、耐寒性もそこそこあるようなのでよほど厳しい環境でない場合はしっかり成長し開花してくれるでしょう。葉質は野ばら同様弱い方なので寒冷地の方はべと病に注意します。また、野ばらより花弁数が増えたせいか実付きはよくありません。

群星

トゲがほとんど無く枝もやわらかいので非常に扱いやすい品種です。花付きもよく他品種との組み合わせがしやすい、とても植栽効果が現れやすい優秀な品種です。春のみの開花ですが、葉もよく茂るので夏以降も深緑の風景が楽しめます。つるバラが初めてという方でもおすすめしたいばらです。

儚げに垂れる花が美しいティーローズ – 「マダム ブラヴィ」

マダム ブラヴィ – Mme.Bravy

本日ご紹介する品種はティーローズ「マダム ブラヴィ」です。

○品種解説ページ: マダム ブラヴィ – Mme.Bravy

1846年、フランスのGuillotによって作出されました、古いティーローズです。

薄くリボンのような重ねの多い花容、中心が淡いピンク色。繊細で細く赤味を帯びる枝、そして重みで垂れる花はまさにティーローズの特徴です。樹はやや小型ですが、花付きは大変良く、春の開花から秋まで連続して開花します。甘いティーの香りがあるのも嬉しい。

枝は細く花は必ず重みで垂れるので、上に向かって咲くことはほとんどありません。近年多く見られる丈夫で豪華な品種たちとは全く異なる性質ですが、風に揺られて儚げに咲いてくれる姿は趣深いものです。ティーローズが持つ独特の美しさをよく体現した品種かと思います。

ティーローズなのでどうしても病気にはかかりやすいのですが、再生能力は高めなので葉を落としても気落ちせず育てていただければ、秋にはまたきれいな花を咲かせてくれます。

現代バラでは持っていない、株全体がそよ風に揺れる姿はまた別の、古風な美しさがあります。枝がしっかりした豪華絢爛な花もよいですが、古来の貴重な性質はこれからも守っていきたいですね。

圧倒的な花付きで魅了するブルボンローズの女王 – 「ブルボン クイーン」

ブルボン クイーン

大寒も過ぎましたが、まだまだ寒い時期が続きます。苗達を凍らせないよう注意が必要です。

さて、本日ご紹介する品種はブルボンローズの名花「ブルボン クイーン」です。

○品種解説ページ: ブルボン クイーン – Bourbon Queen

1834年、フランスの「モーゲ(Mauget)」作出のブルボンローズです。別名は「クイーン オブ ブルボン(Queen of Bourbons)」、まさにブルボンローズを代表する素晴らしい女王様です。

ブルボンローズはポートランドローズと共に、西洋のばらと東洋のばら(いわゆる庚申バラなど)が交配されて誕生した系統で、ここからオールドローズに安定した「返り咲き性」を持つ品種が誕生し始めます。

しかし、ブルボン クイーンはそれまでの「つる」としての性質が強く出たようで「一季咲き」になります。香りが少し薄いのが残念ですが、花付きは大変良く、薄く入るストライプとカップ状の花は誰が見ても美しく優雅で、そしてその風景に圧倒されることでしょう。満開時の姿は本当に素晴らしいものです。秋になると細長いオレンジ色の実を付けます。

つる性の品種で枝も比較的誘引しやすい方ですが、樹の性質としては「横張り」に近い伸び方をするのでフェンス仕立てにも好適です。また、小輪房咲きの白のつるバラとの相性は抜群に良く、特に「ロサ・ムルティフローラ(野ばら)」との組み合わせは息を呑むほどの美しさです。開花時期はブルボン クイーンの方が少し早いのですが、花持ちが意外によいので後半で野ばらの開花と合ってくる感じです。

ブルボン クイーンと野ばら
▲ブルボンクィーンと野ばらの組み合わせ

返り咲きはしませんが、その名前に恥ないブルボンローズの名花です。組み合わせ次第では圧巻の庭園を造ることも夢ではありません。気になる方はぜひ1本いかがでしょうか。

雪が降りました、野ばらにも雪が積もっています

ロサ ムルティフローラ – Rosa multiflora

おはようございます。今年もまた本格的に雪が降りました。

積雪は大体10㎝ほど、これくらいでしたらハウスも無事です。去年のようにはしたくありませんね。

写真は当園で植栽している野ばら(ロサ・ムルティフローラ)の自然樹形です。実を付けたまま雪を被っていて綺麗ですね。この時期になると、枝の様子がよくわかります。野ばらは、枝が弧を描くと垂直に新しい枝をたくさん出していることが分かります。そして、その先端で実を付けているということは、新しくでてきた枝に開花が起こっていることも見て取れます。

また、枝の先端が枯れこんでいることから、弧を描いて下を向いた枝は枯れる性質を持っていることも分かります。野ばらは確かによく伸びますが、自然樹形で育てるとこんもりまとまってくれるのは、こういったところでバランスを取っているからです。

「ばらは誘引するもの」という考えに固執する必要はありません。ばらはどんな品種でも最終的に自立し、自然樹形のままでも美しい風景を作り出すことができます。少し広い場所は必要になってきますが、それがクリアできるようであれば「自然樹形仕立て」も一考です。

○品種解説ページ: ロサ ムルティフローラ – Rosa multiflora

ロサ ムルティフローラ – Rosa multiflora

病害虫耐性があり、実も楽しめるアメリカ原産のバラ – 「ロサ ヴァージニアナ」

ロサ ヴァージニアナ – Rosa Virginiana

本日ご紹介する品種は、アメリカ原産の原種「ロサ ヴァージニアナ」です。

○品種解説ページ: ロサ ヴァージニアナ – Rosa Virginiana

「ロサ ヴァージニアナ」は、北アメリカ東部を原産地とするバラの原種です。

5~6㎝ほどの大きなピンク一重咲き、中心には黄色い雄しべが見えます。細長い葉はよく茂り、すっきりした花との相性もよく風情があって美しい。非常に遅咲きの品種で、他の品種の花が終わったころに開花し始めます。

伸長力旺盛で地植えなどにすると非常に大型の株になりますので、広い場所への植栽を考えます。また、病害虫への耐性は非常に強く、無農薬でもそれらの被害は一切見受けられません。大変丈夫な品種になります。

原種ということもあり、枝ぶりは荒く大きくなるので自然樹形のまま庭木として扱うのが最も美しい姿になるでしょう。幸いにして病害虫の耐性は強いので大きくなること以外ではあまり心配はいらないでしょう。耐寒性もありメンテナンスフリーのバラとして貴重な品種です。

実

さらに、花殻を切らずそのままにしておくと秋にはたくさんの赤い実を付けることでも有名です。実付きは大変良く、また「横長」というバラの実としては珍しい形をしているのも特徴です。紅葉と赤い実とのコラボレーションは情緒あふれる姿です。

基本的には誘引するより自然樹形のまま庭木としてお育てになるのがよい品種ですが、病害虫の被害も少なく、よく茂り、秋には紅葉と実が楽しめるので和風のお庭などに一本いかがでしょうか。

唯一緑色の花を咲かせる庚申バラ – ロサ キネンシス ヴィリディフローラ

ロサ キネンシス ヴィリディフローラ

今年はじめての品種のご紹介。いきなり地味な品種ですが、興味深くもある緑色の四季咲き品種「ロサ キネンシス ヴィリディフローラ」です。

○品種解説ページ: ロサ キネンシス ヴィリディフローラ – Rosa chinensis viridiflora

「ロサ キネンシス」の名が示す通り「庚申バラ」の仲間です。しかし、赤色やピンク色がほとんどである他の庚申バラとは姿が全く異なり、唯一完全な「緑」の花を持つ特異な品種です。一見すると花の萼(がく)のように見えます。実際に萼が変異したものだと言われています。見た目の通り、別名は「グリーン ローズ」です。

チャイナローズに分類されることが多いです。完全な四季咲き性を持ち、春から初冬にかけて連続して開花します。花付きは大変よく、なにより花持ちの良さが際立ちます。色としては地味なものですが、逆を言えば主張をしないシンプルな花とみれます。

そのため、この品種を活かすためには「メイン」となる別の花の下へ植栽し、他の花を引き立てるための差し色として使えば効果を発揮するでしょう。

四季咲きなので管理は他の四季咲き品種と同様です。花ガラ切り(開花時ですでに花ガラのようですが)を常に行ない、病気等を発生させないよう注意しながら育てていけば元気に成長してくれるでしょう。生育もそこまで緩慢ではなく、バランスよく株もまとまってくれるので花壇品種としては育てやすい部類に入ります。

一目見ただけでは「バラ」であることが分からないほど特異な品種ですが、主張しない色なので意外にも和風なお庭にマッチします。使い方次第で十分鑑賞できる花壇が出来上がりますので、ちょっと珍しい色がほしい方におすすめです。

新年あけましておめでとうございます。

ご挨拶が遅れてしまいましたが、新年あけましておめでとうございます。
本年も社員一同、皆様にご満足頂けるサービスを心がける所存でございますので、 何とぞ昨年同様のご愛顧を賜わりますよう、お願い申し上げます。

八ヶ岳
▲長野県富士見町「八ヶ岳農場」

こちら長野県富士見町も非常に寒くなりました。
バラも休眠期に入っていますので現在は「接ぎ木」の作業に入っております。

ここで1年の生産数を決めてしまいます。当園では珍しい品種を数多く保有しておりますが、台木数にも限りがございますので、そのすべてを接ぎ木することはありません。希少性の高い品種は、なるべく早くご予約いただきますようお願い申し上げます。

ばら苗

また、当園の苗はすべて手作りの「鉢苗生産」です。そのため、冬の時期でも在庫があるものでしたらいつでもご注文が可能です。配送作業も行っております。冬の苗のため葉は少なく枝のみの苗も多くなりますが、春の開花には問題ありません。

開花苗ではありませんので価格も通常より低く設定しております。株の状態の割にお安く苗をご購入できる時期でもありますので、ご検討いただけましたら幸いです。