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ラベンダーピノキオ – 波打つ花容と独特の色調が魅力

ラベンダー ピノキオ - Lavender Pinocchio

ラベンダー ピノキオ – Lavender Pinocchio の詳細ページ

2年生苗でのおすすめとなりますが、今年は例年以上によく育ちましたのでご紹介させていただきました。
※2016年10月現在の在庫です。

丈夫な品種の多いフロリバンダ種の中では正直なところ、もっとも作りにくい部類ではないかと思います。細く華奢な枝は増えにくく、しかも偏った方向に伸びます。横張り気味に散開する樹形はまとまりがあるとはいいがたいでしょう。それでもこの品種が完全に消え去ることなく現在も少ないながら生産され続けているのは、やはりその花容と色調が他に類を見ない、特別なものであるからだと思います。

紫の色調は少し茶色味を含み、弁端がきれいに波打つといっそう美しくみえます。黄色の大きなおしべがよく目立ち、まさに芸術品のような趣です。小柄な樹形に大きな房咲きのアンバランスさがまたよいのかもしれません。

美しい色調とやや脆弱ともいえる樹勢はともに親品種のグレイ・パールの影響を強く感じます。このような品種は時間をかけて枝数を増やしてゆく必要があり、高温多湿にも注意が必要です。しかも枝も枯れ込みやすく、何だか心が折れそうです。

それでもいつかは大株になり、樹形が整わないながらもたくさんの花をふんわりと咲かせる姿はこれまでの苦労も吹き飛ぶほどで、改めてこの品種の底知れぬ魅力に驚嘆せずにはいられません。

初期HTながらバランスのとれた白花 – 「マダム ジュール ブーシェ」

マダム ジュール ブーシェ - Mme.Jules Bouché

久しぶりの投稿となります。ブログが放置状態となり申し訳ございません。

梅雨の時期になり、業務も少し落ち着いてきました。
これからは秋に向けて苗の育成に入りますが、ご注文は常にお受けしております。気になる品種などありましたら、お気軽にお問い合わせください。

こちらのブログでは品種のご紹介を再開いたします。

今回ご紹介する品種は白のハイブリッドティー「マダム ジュール ブーシェ」です。

マダム ジュール ブーシェ – Mme.Jules Bouché

作出年は「1910年」と古い品種ながらも洗練された白の名花です。

交配は「Pharisäer × 実生」。「Pharisäer」 は 「Mrs. W.J. Grant」の実生品種で、さらに親品種を辿ると「La France(ラ・フランス)」にたどり着きます。ラ・フランスがいかに歴史的な品種であったかがわかります。

蕾の状態では赤みがありますが、開花して咲き進むに従って白くなっていきます。株立がよく、半直立上にきれいにまとまってくれます。新しい枝は赤みがありますが、少し黒味がある特徴的な枝で、それとは対照的に濃緑色の明るい葉があり、白い花をより一層引き立ててくれます。トゲはありますが、他の品種と比べると少ないほうかと思います。

香りはさわやなかティー香があります。花付きが大変よい点も評価ポイントです。

ハイブリッドティー初期の品種ながらも端正な花型と、清楚な白の花が魅力の品種です。株立の良さを含むバランスの良さは現代バラにも負けず劣らずの優秀な品種で、1910年作出とは思えない完成度の高さです。初期ハイブリッドティーの特徴である繊細な花弁は、しっかりした厚い弁では表現できない趣を持っています。花壇用品種として、白のハイブリッドティー「ホワイト クリスマス」などと一緒にオススメしたい品種です。

花付き香り共に良い、貴重な初期HTの赤バラ – 「ハドレー」

ハドレー – Hadley

関東地方では春一番が吹いたようですね。
これからどんどん暖かくなってくれると嬉しいです。

さて、今回は「ハドレー」という品種をご紹介いたします。

ハドレー – Hadley

作出年は「1914年」、アメリカの「Alexander Montgomery」という人が発表しています。

非常に古いハイブリットティーローズですが、それもそのはず、「ハドレー」はハイブリットティーローズ初の赤バラと言われている「リバティ」という品種の子供だからです。「ハドレー」はバラの歴史上重要な品種の1つで、現在はとても希少な品種となっています。

「ハドレー」はのちに「エトワール ド オーランド」を生み出し、さらに戦前を代表する赤バラ「クリストファー ストーン」を誕生させます。赤バラの遺伝子は脈々と受け継がれています。

「ハドレー」についてですが、実際はローズ色を含む赤色の花です。古いハイブリットティーローズのため、細枝性で枝の分岐も比較的多く、よく茂るのが特徴です。また、花付きが大変良く房咲きになり、ハイブリットティーの中では比較的小ぶりな花を沢山かせます。香りは濃厚なフルーツ香があります。

イメージとしては、ハイブリットティーよりも大型のチャイナローズの趣があります。
細い枝が風に揺れながら、甘い豊かな香りを運んできてくれます。

古い品種なので、どうしても黒星病、特にうどん粉病に対しての耐性がなく薬剤での予防は不可欠なのですが、現代バラの礎となってくれた貴重な品種です。がっしりとした樹ではなくあくまで繊細な枝ぶりも情緒ある姿かと思います。

株立ちもよくまとまってくれるので、1つ歴史的な花を入れてみたいという方はおすすめの品種です。

小スペース向きの半つる性 – 「コンテス セシル ド シャブリラン」

コンテス セシル ド シャブリラン – Comtesse Cecile de Chabrillant

来年に向けて接ぎ木作業を始めました。これから年に一度の生産時期です。

本日はハイブリッドパーペチュアルローズの「コンテス・セシル・ド・シャブリラン」(セシル・ド・シャブリラン伯爵夫人)をご紹介させていただきます。

コンテス セシル ド シャブリラン – Comtesse Cecile de Chabrillant

ころんと丸い、ディープカップの美しい花といえば「ラ・レーヌ・ヴィクトリア」がとても有名で、それに比べると控えめな存在という感が否めません。しかしとても愛らしさに満ちた捨てがたい品種なのです。
「ラ・レーヌ・ヴィクトリア」がつる状に、かなり長く枝を伸ばすのに対して「コンテス・セシル・ド・シャブリラン」は株元から多くの枝を発生させる自立型の株立ちとなり、枝の伸びも2mくらいまでです。

花付きがとても良くてあまり誘引できなくても咲き、(もちろん誘引するとさらに咲き、)独特の甘い香りも魅力的です。弁質も比較的良くて、雨に負けず多くの花を楽しませてくれます。春の開花後、夏までにもう一度開花します。

良好な花付きを生かしてアーチ仕立てやトレリス、窓辺のアクセントなど、小スペース向きの半つる性ばらといえます。2年生長尺苗の在庫が若干数ですが、ございますのでもしこの品種が気になっている方がいらっしゃいましたら是非。

直線的な枝ぶりなので枝の使いこなしはやや上級向きと思え、ラ・レーヌヴィクトリアのようにつるばらとしてメインを張れるわけではありません。また、この系統の宿命ともいえますが、うどんこ病や黒星病にはやはり注意が必要です。

株が充実して枝一面にびっしりと花を咲かせた様子は本当に見事で胸に響くものです。
丸い花たちが楽しく華やかなメロディーを奏でてくれているような、そんな気持ちにさせてくれる、優しさと明るさにあふれた品種です。

病害虫耐性抜群の匍匐性原種 – 「ロサ センパヴィエンス」

ロサ センパヴィエンス – Rosa sempervirens

ちょっと前まで暖かいな~と思っていましたが急激に寒くなりました。
長野北部では雪も降り始めました。そろそろ冬支度が必要です。

本日ご紹介する品種は、匍匐性の原種「ロサ センパヴィエンス」です。

ロサ センパヴィエンス – Rosa sempervirens

北アフリカ原産の原種です。別名は「Evergreen Rose」。

白一重の清楚な花が美しい原種です。日本の野ばら(ロサ ムルティフローラ)より一回り花が大きい。また、典型的な遅咲き品種で他のバラの開花が終わったころに咲き始めます。当園のような寒冷地では7月初旬~中旬ころで満開です。一季咲きなので、開花後は次の春まで枝を伸ばすのみです。

本品種は、当園の樹形図番号で言うと「6番」、つまり匍匐性の樹形をしています。支柱等を立てない場合、地面を匍うように6m以上枝が伸びていきます。他に匍匐する原種は日本の「ロサ ウクライアナ(ロサ ルキアエ)」、そして「ロサ ムリガニー」「ロサ セティゲラ」「ロサ マクランサ」などが有名です。

トゲがありますので誘引等の作業には手袋が必要です。しかし、枝は大変しなやかなので誘引の自由度は高く、広い場所が確保できれば圧巻の風景を作り出すことも可能です。茂りもよいので寂しい印象にはなりません。花付きも大変良く、また秋にはオレンジ色の実を付けます。照り葉で白い花との相性も抜群です。

ロサ センパヴィエンスは害虫や病気などの耐性も強く、伸長力旺盛で非常に丈夫な品種です。よく伸びる枝をうまく活かせるような、例えば横に長いフェンスや壁面などのメインとして活用できます。枝は匍匐するので、フェンスの場合は高さがあまり無くても大丈夫です。枝先が株元より下に伸びても枯れることはないので、下垂仕立てなども面白いでしょう。病害虫耐性もありますので農薬がかけれらない場所でも安心です。

原種ながら他の園芸品種と遜色ない植栽効果を発揮できます。遅咲きである点を考慮しながら風景を形作ってみてください。

因みに、交配親としても利用されており、一部の匍匐性ランブラーローズの親品種として活躍しています。「フェリシテ エ ペルペチュ」「アデレード ドルレアン」などがロサ センパヴィエンスの交配種です。また、ノアゼットローズの「シャンプニーズ ピンク クラスター」と交配されて「エメ ヴィベール」が誕生しています。いずれも丈夫な品種で伸長力旺盛、そして遅咲きです。

華やかな色彩が人気のピース直系品種 – 「グランメール ジェニー」

グランメール ジェニー – Grand’mère Jenny

今年は暖冬と聞いておりますが、11月下旬にも関わらず本当に暖かいです。

本日ご紹介する品種は、華やかな色彩で人気の「グランメール ジェニー」です。

グランメール ジェニー – Grand’mère Jenny

交配は Peace × ( Julien Potin × Sensation ) です。1950年作出。

バラ好きなら誰もが知る20世紀最大の名花「ピース」、その直系の子供になります。その他の「ジュリアン・ポタン」や「センセーション」も交配親として多くの子孫を残したマザーローズです。作出者は、ピースを作ったフランシス・メイアン氏です。

オレンジ・ピンクに濃いピンクの覆輪が入る鮮やかな花です。ピースほどの巨大輪ではありませんが、花付きは大変良く、華やかな花色とピース譲りの照り葉との調和が美しい品種です。また、ピースより強いティー香があります。半直立の枝ぶりで樹勢・株立ともに良く大変育てやすい品種です。ふっくらとした咲き方もまた魅力的。

ハイブリットティー・ローズなので完全四季咲き性、春から秋まで何度も開花します。特に気温が下がる秋口の花は色彩がはっきりしてくるので、見事な株姿になります。

1950年というバラの黄金期と言える時代、多くの育種家が自身の芸術性を発揮し、すばらしい品種を作出しています。グランメール ジェニーも繊細な枝ぶりや株立・花付きの良さなどが評価され今日まで多くのバラ園で植栽されています。もちろん、ご家庭の植栽でも、その力を存分に発揮してくれるでしょう。

フランシス・メイアン氏は自身が作出した品種も多く使って常に新しい試みに挑戦していました。グランメール ジェニーは再度ピースと「フロラドラ(Floradora)」との交配がされ「ソラヤ」を生み出しています。煉瓦色を含む独特の朱色の花です。1つのことに固執せず、新しい観点を持って時代を牽引し続けた名育種家です。

株立の良さと花付き、花形に優れた花壇用名品種 – 「ブライダル ホワイト」

ブライダル ホワイト(しろたえ) – Bridal White

雨にも当たり、そろそろ四季咲きバラの花も見納めでしょうか。
また来年に向けて手をかけてあげたいところです。

本日ご紹介する品種はフロリバンダ・ローズ「ブライダル ホワイト」です。

ブライダル ホワイト(しろたえ) – Bridal White

和名は「しろたえ」。「ブライダル ピンク」の枝変わりとなります。
上の写真の後ろに写っているのが親品種「ブライダル ピンク」です。

「ブライダル ピンク」はパパ・フロリバンダことバーナー氏の傑作品種です。基本的性質は「ブライダル ピンク」「ブライダル ホワイト」ともに同じで花色のみが異なります。現在、当園ではお取り扱いがありませんが、もう1つローズピンクの「ブライダル レディ」が枝変わり品種として有名です。

これら品種が傑作品種と言われている理由はたくさんあります。

まず「株立ちが大変良い」こと。フロリバンダらしいコンパクト(といっても1mほどはあります)な樹型で、バランスよく樹が成長してくれます。どちらかに枝が偏ってしまったりすることも少なく、花壇でも鉢苗でも整った樹になってくれます。葉の茂りもよく、枝葉には赤味も少ないので、特に「ブライダル ホワイト」の方はとてもすがすがしい印象があります。

次に「花付きが大変良い」こと。フロリバンダの中では比較的大きめな部類に入る花ですが、花付きは良く株いっぱいに花を付けてくれます。フロリバンダは四季咲き木立の品種群なので、春から秋にかけて何度も開花してくれます。

そして「整った花型」もこの品種の魅力です。通常、営利切り花用として生産されるバラの多くは、四季咲き大輪花である「ハイブリットティー・ローズ」が選ばれます。しかし、「ブライダル ピンク」「ブライダル ホワイト」はフロリバンダ・ローズながら営利切花用としても活躍した数少ない品種でもあります。花付きの良さも相まって、切り花も沢山とることができます。「花嫁」の名をいただくにふさわしい美麗花です。

このように、フロリバンダ・ローズが目指した1つの完成形がブライダルシリーズの品種たちです。花壇、コンテナ、切り花にと様々な用途に利用できる、まさに傑作品種です。

複色花のご紹介 – 「レベッカ」「フォーティーナイナー」

秋も深まりましたがまだ気温が高いせいか、当方でもまだかろうじて開花が楽しめる状態になっております。

今回はバイカラー咲のハイブリッドティ・ローズから「レベッカ」と「フォーティーナイナー」の2品種をご紹介させていただきます。複色、覆輪系品種の晩秋の花は本当に美しくて、いつまでも眺めていたくなります。

レベッカ – Rebecca

レベッカ

1970年ドイツのタンタウ氏によって作出された、当園では新しめの品種です。

表弁がローズ赤、裏弁がクリーム黄色いうバイカラー咲きで個性的な色調に加えてふっくらとボリューム感ある花形も魅力です。樹勢も強健で半横張り気味にしっかりと茂り、花付きもよい。マットな深い緑の葉との調和も美しい品種です。願わくばもう少し香りが強ければと思いますが、色調や花形だけでも十分に楽しめる品種です。

レベッカ – Rebecca

フォーティー ナイナー – Forty-niner

フォーティーナイナー

1949年、アメリカを代表する育種家、スイム氏により作出されました。カリフォルニア州で起こったゴールドラッシュ(1849年)より100周年を記念して名付けられたばらです。

八重咲きチューリップを思わせるようなふんわりとした花形と、深みのあるローズ赤、そして裏弁クリーム黄色の対比があざやかです。枝は細めで半直立にすらりとした印象の茂りで、ほのかなティ香があります。スイム氏の作品はアメリカらしい大らかさに満ちながらもどこか繊細で非常に洗練されており、私自身大好きな品種がいつくも存在しています。

フォーティー ナイナー – Forty-niner

色調変化と星咲きの花形が魅力 – 「リュータン」

リュータン - Lutin

今年は暖冬の予想がでています。そのせいか、11月でも暖かい日が続いています。
それでも急に寒くなることはありますので、体調に気をつけたいところです。

本日ご紹介する品種はミニチュア・ローズ「リュータン」です。

リュータン – Lutin

「スカーレット ジェム(Scarlet Gem )」の枝変わりが本品種です。
ミニチュア・ローズらしく枝葉は小さくコンパクトによくまとまります。花名は「悪戯っ子」という意味を持っています。樹高は0.4mほどで花付きは大変よく、春から秋まで常に開花している姿を見ることができます。当園でもこの時期にちゃんと開花しています。ただ、多くのミニチュア・ローズに言えることですが、花が小さいので香りは少ないです。

スカーレット ジェムは赤一色の花です。しかし、枝変わりである「リュータン」は濃いサーモンピンクから淡い花へと褪色することが特徴です。褪色といっても、くしゃくしゃになりながら褪色するわけではありません。綺麗に形を保ったまま色が淡くなります。濃いピンク色の花が淡いピンク色の花へと色調変化し、株全体でグラデーションが生まれます。

この点において、スカーレット ジェムより優れた演出能力を持っていると思います。花弁は細くて尖る星咲きで、綺麗に褪色するとまるで夜の星の様子を見ているかのような株姿となります。全系統中最も強い四季咲き性を持った系統がミニチュア・ローズなので、春に一度開花すればどんどんと蕾を付け、花持ちの良さも相まって常に開花している姿を見ることができます。

現在では希少な品種となってしまいましたが、有名なミニチュア「シンデレラ」に負けず劣らずの優れた性質を持った品種です。鉢苗栽培でも全く問題は無いので、ぜひ一度見ていただきたい品種です。

※1985年にメイアン社より同名のシュラブローズが発表されておりますが、別品種なのでご注意ください。

小型つるバラとして清らかな演出 – 「マリー ド サンジャン」

マリー ド サンジャン – Marie de Saint Jean

今日は11月の割には少し暖かいですね。ただ、朝夕は寒くなりますので気温差に注意です。

本日ご紹介する品種はポートランド・ローズ「マリー ド サンジャン」です。

マリー ド サンジャン – Marie de Saint Jean

ポートランド・ローズは西洋のバラと中国の庚申バラとの交配により誕生した系統とされています。ほとんどが一季咲きであった西洋のバラでしたが、この系統の誕生により返り咲きするつる性バラが仲間に加わることになります。現存するポートランド・ローズは少数ですが、歴史上貴重な品種群です。

「マリー ド サンジャン」もその過程で誕生した品種です。返り咲きの頻度は夏くらいまでではありますが、春以外でも開花する性質は当時重宝されたことでしょう。オールドローズらしい花弁の多い大らかな花容、白い花にほのかにかかる紅色が上品です。オールドローズには白い花が意外に少なく、そういった意味でも「マリー ド サンジャン」は貴重な品種です。枝葉には赤味がなく、明るい緑の葉も、白い花をより引き立ててくれます。

返り咲く頻度が少ないため、同じポートランド・ローズで返り咲きが多い「アルチュール ド サンサール」と比べると少しつるとしての性質が強くでています。それでも、「シドニー」よりかは小型のつる性ばらで、樹高は「1.8~2m」ほどと極端に伸びすぎない性質も見逃せません。ステムも短いため構造物との一体感を出しやすく、誘引場所が限られるトレリスやアーチに個性的な演出をしてくれることでしょう。大変使いやすいつるバラの1つかと思います。

自立気味にまとまってくれるので鉢仕立てにも好適です。玄関まわりなどスペースがあまりない場所にも活躍できます。四季咲き木立バラとはまた違う演出も可能でしょう。

ポートランド・ローズは、庚申バラの影響か病害虫耐性に関して少し目を瞑る必要はありますが、他系統にはない独特な上品さでお庭を彩ってくれます。毎年この花を見て「やはり古いバラは魅力的だな~」と再確認させられます。伸長も穏やかで急激に伸びないので、枝の扱いに困ることも少ないでしょう。庭園素材としてぜひ見直していただきたい品種です。